99人以下規模では年休取得ゼロの者が4人に1人
公益財団法人連合総合生活開発研究所(古賀伸明理事長)は、第36回「勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート調査」の結果をまとめた。今回の調査では、「景気・物価・仕事についての認識」、「時間外労働の状況と時間管理」の定期的な調査のほかに、「ワークライフバランスについての意識と実態」、「年次有給休暇の取得状況の実態」などについて調査している。調査時期は平成30年10月上旬、調査対象は株式会社インテージのインターネットアンケートモニター登録者の中から無作為に抽出した首都圏及び関西圏に居住する20~64歳の民間企業に雇用されている者2000人。
調査結果の中から、年次有給休暇の取得状況の実態についてみると、現時点の年次有給休暇の保有日数を「把握している」と回答した者の割合は64.3%、今年度新たに付与された日数を「把握している」と回答した者の割合は60.1%、昨年度からの繰り越し日数を「把握している」と回答した者の割合は57.5%となった。
年次有給休暇の取得実績は、昨年度の年次有給休暇を「取得した」(「全て取得した」と「おおよそ取得した」と回答した者の合計)34.9%、「取得しなかった」(「あまり取得しなかった」と「まったく取得しなかった」と回答した者の合計)43.6%となっている。
これを従業員規模別にみると、小規模ほど「取得しなかった」とする者の割合が高く、99人以下では55.2%、100~999人では43.9%、1000人以上では33.5%となっている。特に、99人以下では、「まったく取得しなかった」と回答した者が24.8%と約4人に1人となっている。
年次有給休暇の取得実績を労働時間別にみると、1週間当たりの実労働時間及び1ヵ月当たりの所定外労働時間が長くなるほど、「まったく取得しなかった」とする者の割合が高い傾向にあり、1週間当たりの平均実労働時間が「60時間以上」では34.2%、1ヵ月当たりの所定外労働時間が「45時間以上80時間未満」では32.4%、同「80時間以上」では36.4%の者が「まったく取得しなかった」と回答している。
年次有給休暇を取り切れなかった理由(複数回答)としては、「病気や急用のために取っておいたが取り切れなかった」(37.7%)、「職場に休みにくい雰囲気があるから」(34.6%)が多い。