47都道府県で24円から27円の引上げ
平成30年度の地域別最低賃金額の改定審議が終了し、47都道府県で24円から27円の引上げが行われた。引上げ額をみると、最も高いのは埼玉、千葉、東京、愛知、大阪など7都府県の27円、次いで、宮城、長野、京都、和歌山、広島、徳島など16府県が26円となっており、全国加重平均で26円の引上げとなった。全国加重平均額26円の引上げは、最低賃金額が時間額のみで示されるようになった平成14年度以降で最大の引上げ。改定後の最低賃金の最高額は東京の985円、最低額は鹿児島の761円となっている(2ページに一覧表掲載)。
最低賃金は、法(最低賃金法)によって、労働者を使用する場合の賃金の最低額を保障するもの。これは、すべての使用者と労働者に適用される。最低賃金には、地域別最低賃金(都道府県単位)と特定最低賃金の2種類がある。
地域別最低賃金の額の改定に当たっては、引上げの目安を中央最低賃金審議会が各都道府県の地方最低賃金審議会に示す方式がとられている。今年度は、6月26日に厚生労働省が中央最低賃金審議会に対して、30年度の地域別最低賃金額改定の目安を諮問し、同審議会は7月26日、それに対する答申を行った。答申内容は、各都道府県のランクごとの引上げ額をAランク27円、Bランク26円、Cランク25円、Dランク23円とするというもの(本誌第1970号参照)。
各都道府県の地方最低賃金審議会は、この答申内容や地域の賃金実態などを踏まえ最低賃金額改定の審議を行い、8月10日までに全都道府県で改定額の答申が出揃った。それによると、引上げ額は24円から27円となっており、全国加重平均で26円(29年度25円)となった。
改定後の地域別最低賃金額をみると、最も高いのは東京の985円、次いで、神奈川983円、大阪936円、埼玉と愛知が898円の順となっている。逆に、最も低いのは鹿児島の761円(全国加重平均額は874円)。
引上げ額では、最も高いのは埼玉、東京、大阪など7都府県が27円、次いで、宮城、京都、広島など16府県が26円、北海道、新潟、福岡など16道県が25円、青森、岩手、鹿児島など8県が24円となっている。
また、引上げ額が目安を上回ったのは愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、沖縄の8県が2円増、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、群馬、兵庫、和歌山、鳥取、島根、岡山、徳島、香川、鹿児島の15県が1円増、他の24都道府県は目安と同額の引上げとなった。
なお、改定後の最低賃金は、各都道府県労働局での関係労使からの異議申立に関する手続を経たうえで、都道府県労働局長の決定により、10月1日以降順次発効する予定。発効予定日が最も早いのは北海道、福島、東京、愛知、京都、大阪など36都道府県が10月1日、最も遅いのは群馬と長崎の10月6日となっている。