29年度の建設業の安全衛生対策重点事項示す

厚生労働省は、平成29年度の建設業における安全衛生対策推進の重点事項について、国の直轄工事の受注者など建設事業者への周知を国土交通省、農林水産省に協力要請した。

今回の要請は、建設業の安全衛生対策を効果的に推進するためには、発注機関や建設業関係団体の協力を得て、事業者等による自主的な取組みの促進が必要なことから行ったもの。それによると、29年度の重点取組み事項は、足場等からの墜落・転落防止対策、建設業労働安全衛生マネジメントシステムの普及、建設工事関係者連絡会議の運営、建設工事における安全衛生経費の確保対策など全19項目に及んでいる。

具体的には、足場等からの墜落・転落防止対策では、「足場からの墜落・転落災害防止総合対策推進要綱」(平成24年2月9日付け基安発0209第2号、改正平成27年5月20日付け基安発0520第1号)に基づく対策の実施を指導するほか、足場の組立て等作業主任者の選任及び職務の徹底など、労働安全衛生規則の遵守の徹底を図るとしている。

また、「建設工事関係者連絡会議の設置について」(平成26年4月11日付け基安発0411第1号)に基づき、都道府県単位及び地区単位の建設工事関係者連絡会議を都道府県労働局及び労働基準監督署において開催し、施工の安全衛生に配慮した発注、安全衛生経費の確保、統括安全衛生管理の徹底のための相互パトロール、安全衛生教育等について協議し、実行する。その際、発注者に対しては計画的な発注及び工期の平準化について配慮を求めるとした。

建設工事における安全衛生経費の確保については、平成27年に厚生労働省と国土交通省が作成したパンフレットを活用し、経費の積算に当たっては労働災害防止のために必要な経費を盛り込むことについて、建設事業者及び発注者に対して、建設工事関係者連絡会議等の場を活用して周知・要請するとしている。

このほか、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会対策、建設工事従事者教育の徹底、転倒災害防止対策、交通労働災害防止対策、熱中症対策──などが重点事項として挙げられた。

なお、厚生労働省は、同旨の協力要請を建設業界団体にも行い、さらに、都道府県労働局に対して、局の所在する都道府県、市町村等の発注機関、建設業関係団体等へ同様の要請等を行うことにより、建設工事関係者の自主的な安全衛生活動の促進を図るよう指示した。