2017年入社対象の選考開始は前年6月1日以降に
経団連(榊原定征会長)は昨年12月7日、「採用選考に関する指針」及び同指針の「手引き」を改定した。今回の「指針」の改定では、2017年度入社の大学卒業予定者等の選考開始時期を卒業等年度の6月1日以降(2016年度入社予定より2ヵ月前倒し)としている。
「指針」は、企業が行う大学卒業予定者・大学院修士課程修了予定者等の採用選考にあたって配慮すべき事項を定めている。また、「手引き」では、採用選考に具体的に取組む際の留意事項を示している。経団連では、前回2014年9月に「指針」及び「手引き」の改定を行い、2016年度入社以降の大学卒業予定者等の採用選考活動の開始時期について、広報活動は卒業等年度に入る直前の3月1日以降、選考活動は卒業等年度の8月1日以降に後倒しした(それ以前は、広報活動の開始は卒業等学年前年の12月1日以降、選考活動の開始は卒業等学年の4月1日以降)。
しかし、経団連会員企業は2016年入社対象から適用された「指針」に則って採用選考活動を行った中で、外資系企業や中小企業をはじめ、経団連非会員企業は「指針」にとらわれず活動を行った結果、学生と企業の就職・採用活動が長期化し、混乱を招いた。そのため、「指針」及び「手引き」について必要な改善を行い、不安を抱える学生等の無用な混乱を避けるとともに、新卒市場の正常化を目指すこととしたもの。
今回の「指針」の改定では、2017年度入社の大学卒業予定者・大学院修士課程修了予定者等の採用選考活動の開始時期について、選考活動は卒業・修了年度の6月1日以降としている。なお、広報活動の開始時期は変更していない。
また、「手引き」の改定では、「指針」の適用対象者について、大学卒業予定者・大学院修士課程修了予定者のほか、短期大学及び高等専門学校卒業予定者が対象となることを明記した。
さらに、選考活動における留意点として、今般の開始時期の変更に伴い、学事日程に一層配慮していくことが求められるとしている。具体的には、「面接や試験の実施に際し、対象となる学生からの申し出があるケースも想定されるため、事前連絡についても余裕をもって行うほか、当該学生の事情を十分勘案しながら、例えば授業やゼミ、実験、教育実習などの時間と重ならないような設定とすることや、土日・祝日、夕方以降の時間帯の活用なども含めた工夫を行うことが考えられる」としている。