2015年度に非正規社員を正社員登用した企業6割
経団連(榊原定征会長)はこのほど、「2016年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果」をまとめた。調査は、経団連会員企業及び東京経営者協会の主要会員企業(計1439社)の労務担当役員以上を対象に昨年7月から8月にかけて行っており、有効回答のあった477社(有効回答率33.1%)について集計している。
調査結果の中から、非正規社員の状況についてみると、非正規社員に導入している賃金関係の制度で多いのは、「通勤手当の支給」(82.6%)、「賞与・一時金等の支給」(64.9%)、「出張手当(日当)の支給」(55.7%)などで、一方、「食事手当の支給」(16.8%)、「退職金の支給」(16.6%)、「企業内最低賃金協定」(14.1%)は1割台にとどまった。
また、賃金関係以外で導入している制度では、「慶弔休暇の付与」(67.3%)、「人事評価・考課」(56.6%)、「夏季休暇の付与」(50.8%)は5割を上回っているが、「育児関連の費用補助」(12.5%)、「介護関連の費用補助」(9.6%)は1割程度となっている。
非正社員から正社員等への登用実績(2015年度)をみると、「正社員」59.1%、「限定社員(職種や勤務地などを限定した正社員)」14.0%、「無期契約社員(労働契約期間のみ無期とした社員)」3.4%となった。
登用理由をみると(複数回答)、「自社の基準に適った人材の確保・定着」が92.9%と最も高く、次いで、「登用前の知識・経験を活かした能力発揮」51.7%、「非正規社員のモチベーション向上」46.5%、「業務拡大等に伴う人員の重点配置」23.7%の順となっている。
また、今後の登用方針としては、正社員への登用では、「今後、登用者数を増やしていく」9.9%、「2016年度の予定者数と同程度の登用を行っていく」19.6%、「あらかじめ登用者数は定めず、随時登用を行っていく」59.7%、「登用する予定はない」10.4%などとなった。