20歳代では老後の頼りは「自己収入」が約4割に
厚生労働省は、「平成27年社会保障における公的・私的サービスに関する意識調査」の結果をまとめた。調査は、無作為に抽出した20歳以上の者を対象に平成27年7月に実施しており、有効回答を得た9811人(男性4584人、女性5227人)について集計している(有効回答率73.1%)。
調査結果の中から、就労に関連している部分をみると、老後の生計を支える手段(すでに老後生活を送っている場合は現在の状況)としてどのようなものを考えるかについて、1番目に頼りにするものは、「公的年金(国民年金や厚生年金など)」が54.4%と最も多く、次いで、「自分の就労による収入」21.6%、「配偶者の就労による収入」7.6%、「貯蓄または退職金の取崩し」6.7%の順となっている。また、2番目に頼りにするものでは、「貯蓄または退職金の取崩し」が27.6%と最も多く、次いで、「公的年金(国民年金や厚生年金など)」17.2%となっている。
年齢階級別に1番目に頼りにするものをみると、30歳以上では、「公的年金(国民年金や厚生年金など)」が最も多くなっているが、20歳代では、「自分の就労による収入」が最も多く4割程度となっており、年齢を重ねるごとに逆転して割合が大きくなり、65歳以上では、「公的年金(国民年金や厚生年金など)」が74.4%、「自分の就労による収入」は9.0%となった。
次に、今後、より効果的な給付やサービスにすべきだと考える社会保障の分野をみると、「高齢者医療や介護」が42.5%と最も多く、次いで、「老後の所得保障(年金)」38.2%、「医療保険・医療供給体制など」37.4%、「子ども・子育て支援」35.2%、「雇用の確保や失業対策」28.1%の順となっている。
今後の社会保障の給付と負担に関する考え方については、「給付水準を維持し、少子高齢化による負担増はやむを得ない」が30.3%と最も多く、次いで、「給付水準をある程度引き下げつつ、ある程度の負担増もやむを得ない」が17.1%となっている。年齢階級別にみると、20~40歳代では50歳代に比べ、「給付水準を維持し、少子高齢化による負担増はやむを得ない」は少なく、「給付水準を引き下げ、従来どおりの負担とするべき」が若干多くなっている。一方、50歳代以上では、「給付水準を維持し、少子高齢化による負担増はやむを得ない」が多く、3割を上回った。