10年前と比べ女性の昇進志向が高まる傾向に
公益財団法人日本生産性本部「職業のあり方研究会」(岩間夏樹座長)と一般社団法人日本経済青年協議会は、平成27年度「働くことの意識」調査結果をまとめた。
調査は、平成27年度新社会人研修村(国立オリンピック記念青少年総合センター)に参加した企業の新入社員を対象に実施しており、有効回収した2026人(男性1319人、女性705人、不明2人)について集計している。
調査結果をみると、「人並み以上に働きたいかどうか」の設問に対しては、「人並みで十分」が3年連続で増加し過去最高の53.5%(前年52.5%)となり、一方、「人並み以上」は3年連続で減少し38.8%(同40.1%)となっている。
「どのポストまで昇進したいか」の設問では、「専門職(スペシャリスト)」が20.4%と最も多く、以下、「部長」16.8%、「重役」15.8%、「社長」12.6%、「課長」6.4%、「係長」2.0%と続いているこれを10年前と比べると(男女別)、男性では、「社長」という回答が9.6ポイントの大幅減(平成17年27.0%、平成27年17.4%)となっており、「部長」(同13.7%、同20.2%)と「課長」(同3.2%、同6.4%)が増加している。一方、女性では、「専門職(スペシャリスト)」が6.9ポイント減少(平成17年34.1%、平成27年27.2%)しているのが目立ち、その分、「部長」(同7.2%、同10.5%)、「課長」(同4.6%、同6.4%)、「係長」(同1.4%、同3.4%)が増加し、女性の昇進志向がやや高まっている傾向にある。
「会社を選ぶとき、あなたはどういう要因をもっとも重視しましたか」の設問に対する回答では、「自分の能力、個性が活かせるから」が30.9%と最も多く、次いで、「仕事が面白いから」19.2%、「技術が覚えられるから」12.3%の順となっている。
また、勤労意識についての質問で、肯定的な回答(「そう思う」と「ややそう思う」の合計)の上位をみると、「仕事を通じて人間関係を広げていきたい」(94.8%)、「社会や人から感謝される仕事がしたい」(93.3%)、「どこでも通用する専門技術を「身につけたい」(92.3%)、「ワークライフバランスに積極的に取り組む職場で働きたい」(89.8%)などポジティブなものとなっている。逆に、「いずれリストラされるのではないかと不安だ」(40.2%)、「仕事はお金を稼ぐための手段であって、面白いものではない」(35.7%)、「いずれ会社が倒産したり破綻したりするのではないかと不安だ」(21.8%)などネガティブなものは下位にランクされている。