障害者雇用に関する優良事業主の認定制度を創設
厚生労働省は2月19日、労働政策審議会(会長・樋口美雄(独)労働政策研究・研修機構理事長)に対し、障害者雇用に関する取組みが優良な中小企業に対する認定制度の創設などを主な内容とした「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案要綱」を諮問した。諮問を受けた同審議会は、これを同審議会障害者雇用分科会(分科会長・阿部正浩中央大学経済学部教授)で検討した結果、厚生労働省案を「妥当と認める」とする答申を取りまとめ、同日、根本厚労相に提出した。
法案要綱の中で民間事業主に関する事項をみると、厚生労働大臣は、雇用する労働者数が常時300人以下である事業主からの申請に基づき、当該事業主について、障害者の雇用の促進及び雇用の安定に関する取組みの実施状況が優良であることその他の厚生労働省令で定める基準に適合するものである旨を認定する仕組みを創設する。
また、その認定を受けた事業主は、広告や商品に大臣が定める認定の表示を付けることができるとした。
なお、新たな認定制度については、同審議会がさる2月13日に根本厚労相に提出した意見書で具体像を示している。
意見書では、認定制度の仕組みについて、「幅広い評価項目を設定した上で、一定の点数以上となる企業を認定する「ポイント制」とすることが適当」としている。そして、評価項目として考えられる例として、①障害者雇用の推進体制の整備、②障害者雇用に関する理解浸透、③職務の選定・創出、④職場環境の整備、⑤雇用管理の充実、⑥障害者を採用し、活躍を推進するための計画立案、⑦募集・採用の取組、⑧職場定着の取組、⑨関係機関との連携──を掲げている。
また、厚生労働大臣は、特に短い労働時間以外での労働が困難な状況にある身体障害者、知的障害者、精神障害者を雇用する事業主に対して、これらの障害者の雇用継続等の促進を図るための特例給付金の支給業務を行うとした。
同意見書では、対象となる障害者の労働時間は、週所定10時間以上20時間未満とし、給付金の単価は、障害者雇用納付金制度における「調整金・報奨金」(超過1人当たり月2万7000円、同2万1000円)の単価の4分の1程度が適当としている。
これら民間事業主に係る改正規定の施行期日は2020年4月1日となっている。同省は、3月中に法案を国会へ提出する予定。