過去1年間に正社員への「登用実績あり」は55%に

厚生労働省は、「労働経済動向調査(平成30年2月)」の結果をまとめた。

調査結果によると、30年2月1日現在の労働者過不足状況は、正社員等労働者を「不足」とする事業所割合47%、一方、「過剰」とする事業所割合は3%となっている。この結果、正社員等労働者過不足判断指数(「不足」と回答した事業所の割合から「過剰」と回答した事業所の割合を差し引いた値)はプラス44ポイントとなり、23年8月以降27期連続して不足超過となった。

これを産業別にみると、すべての業種で不足超過となっており、「建設業」(プラス56ポイント)、「運輸業、郵便業」(同53ポイント)、「情報通信業」(同52ポイント)、「学術研究、専門・技術サービス業」(同51ポイント)での不足超過幅が大きい。

次に、雇用調整を実施した事業所割合(29年10月~12月期実績)は32%で、前期(29年7月~9月期=29%)より3ポイント増加した。雇用調整の実施方法をみると(複数回答)、「残業規制」と「配置転換」がともに15%と最も多く、次いで、「休日の振替、夏季休暇等の休日・休暇の増加」12%、「出向」7%──の順となっている。

産業別にみた雇用調整実施事業所の割合は、「建設業」26%(前期26%)、「製造業」29%(同29%)、「情報通信業」33%(同36%)、「運輸業、郵便業」27%(同37%)、「卸売業、小売業」34%(同30%)、「金融業、保険業」34%(同33%)、「不動産業、物品賃貸業」35%(同34%)、「学術研究、専門・技術サービス業」36%(同34%)、「宿泊業、飲食サービス業」24%(同23%)、「生活関連サービス業、娯楽業」27%(同20%)、「医療、福祉」36%(同28%)、「サービス業(他に分類されないもの)」34%(同23%)となった。

今回の特別調査項目である正社員以外の労働者から正社員への登用状況についてみると、「登用制度あり」とする事業所割合は72%で前年同期より4ポイント増加した。

また、登用制度の有無にかかわらず過去1年間(平成29年2月~30年1月)に「登用実績あり」とする事業所割合は55%で前年同期より5ポイント増加した。産業別では、「医療、福祉」が72%と最も多く、次いで、「製造業」57%、「不動産業、物品賃貸業」と「サービス業(他に分類されないもの)」がともに56%の順となっている。