若年・女性労働者のトライアル雇用の奨励金拡充

厚生労働省と国土交通省は、建設業の人材確保・育成に多角的に取り組むため、「建設業の人材確保・育成に向けて~平成29年度予算の概要~」をまとめた。両省では、建設業の技能労働者は他産業と比べて高齢化が進行している状況下、これまでも現状認識の共有や相互の施策を支援するなど、連携した取組みを行ってきた。

そして、今年度は、①人材確保、②人材育成、③魅力ある職場づくり──の3つの重点事項で両省の予算を取りまとめている。

その中から、厚生労働省の主な施策をみると、人材確保策では、若年・女性労働者の入職・定着の促進を図るため、中小建設事業主が、若年者(35歳未満)や女性を対象として、トライアル雇用を行った場合の奨励金に上乗せを行う助成制度を創設する。

また、ハローワークにおける建設人材確保プロジェクトの実施地域を、建設関係職種の求人数が多い地域で、かつ、特に求人倍率が高く、充足率が低い地域に集中化し、これらの地域には求職者に対する専門相談員を新たに配置する。そして、新たな体制の下、未充足求人に対するフォローアップ、マンツーマンによる一貫した職業相談、建設分野への就職検討に資する情報提供、職場見学会、就職面接会等を実施する。

人材育成策では、離転職者、新卒者、学卒未就職者等を対象に、型枠工等の躯体系職種及び電気・配管等の建設設備職種等に係る訓練から就職支援に至るまで、パッケージ型の人材育成事業を実施する。また、ものづくりマイスターを中小企業等に派遣し、若年技能者への実技指導を実施する。

魅力ある職場づくりを推進するための施策では、建設業の雇用管理責任者に対する研修として、雇用管理に関する基礎的な知識を習得する「基礎講習」に加え、若年者の職場定着を高めるため、熟練労働者と若年労働者とが円滑なコミュニケーションを取りながら働くことのできる環境づくりの手法等を学ぶ「コミュニケーションスキル等向上コース」を実施する。