約37%の事業場に違法な時間外・休日労働が発覚

厚生労働省は、平成29年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」における重点監督の結果をまとめた。

監督結果をみると、監督を行った7635事業場のうち、5029事業場に労働基準関係法令違反が認められた(違反率65.9%)。主な違反事項別では、違法な時間外・休日労働があった事業場が2848事業場(全体の37.3%)、賃金不払残業があった事業場が536事業場(同7.0%)、過重労働による健康障害防止措置(1ヵ月当たり100時間以上の時間外・休日労働を行った労働者から、医師による面接指導の申出があったにもかかわらず、面接指導を実施していないものなど)が未実施の事業場が778事業場(同10.2%)となっている。

このうち、違法な時間外・休日労働があった2848事業場における時間外・休日労働の実績が最も長い労働者の時間数(1ヵ月)をみると、80時間を超えるものが1694事業場(違反事業場の59.5%)、うち100時間を超えるものが1102事業場(同38.7%)、うち150時間を超えるものが222事業場(同7.8%)、うち200時間を超えるものが45事業場(同1.6%)となった。

主な業種別(監督実施事業場数が400以上の業種)の違反率をみると、教育・研究業が81.4%と最も高く、次いで、運輸交通業78.3%、接客娯楽業75.0%、製造業69.5%、商業68.9%の順となっている。

次に、健康障害防止に係る指導状況をみると、監督を実施した事業場のうち5504事業場に対して、長時間労働を行った労働者に対する医師による面接指導等の過重労働による健康障害防止措置を講じるよう指導した。

指導事項(重複あり)の内訳は、時間外・休日労働を月80時間以内に削減するよう指導したものが3075事業場(指導を実施した事業場の55.9%)、時間外・休日労働を月45時間以内とするよう削減に努め、その具体的方策を検討し、その着実な実施に努めるよう指導したものが2389事業場(同43.4%)、長時間労働による労働者の健康障害防止対策について、衛生委員会等での調査審議(関係労働者の意見聴取)の実施を指導したものが734事業場(同13.3%)、2~6ヵ月の平均で80時間を超える時間外・休日労働を行っている労働者または月100時間を超える時間外労働を行っている労働者について、面接指導等の必要な措置の実施に努めるよう指導したものが483事業場(同8.8%)などとなっている。

このほか、1232事業場に対して、労働時間の管理が不適正であるため指導を行っている。