約9割の労組が労使関係は「安定的」であると認識

厚生労働省は、平成29年「労使間の交渉等に関する実態調査」の結果をまとめた。調査対象は、民営事業所における労働組合員30人以上の労働組合のうちから一定の方法により抽出した約5200の労働組合で、平成29年6月30日現在に状況について同年7月に調査を行い、有効回答のあった3244の労働組合について集計している(有効回答率62.5%)。

調査結果をみると、労働組合における労使関係の認識は、「安定的に維持されている」42.7%、「おおむね安定的に維持されている」46.4%、「どちらともいえない」6.2%、「やや不安定である」2.8%、「不安定である」0.9%となっており、約9割の組合が「安定的」であると認識している。

正社員以外の労働者の組合加入資格、組合員の有無をみると、事業所に正社員以外の労働者がいる労働組合について「組合加入資格がある」割合は、「パートタイム労働者」35.2%、「有期契約労働者」37.0%、「派遣労働者」7.4%、「嘱託労働者」38.4%となっている。また、実際に「組合員がいる」割合は、「パートタイム労働者」26.8%、「有期契約労働者30.8%、「派遣労働者」1.5%、「嘱託労働者」29.3%となっている。

労使間の交渉に関する状況をみると、過去3年間(平成26年7月~29年6月)に「何らかの労使間の交渉があった」事項としては(複数回答)、「賃金・退職給付に関する事項」が89.7%と最も高く、次いで、「労働時間・休日・休暇に関する事項」79.0%、「雇用・人事に関する事項」65.9%、「職場環境に関する事項」57.5%、「健康管理に関する事項」52.1%の順となった。

事項別に、「何らかの労使間交渉があった」組合のうち、「使用者側と話合いが持たれた」割合をみると、「所定内労働時間」96.0%、「賃金額」95.8%、「所定外・休日労働」95.7%などとなっている。

また、「何らかの労使間交渉があった」結果、「労働協約の改定がなされた又は新たに労働協約の規定が設けられた」とする割合を事項別にみると、「育児休業制度、介護休業制度、看護休暇制度」が47.6%と最も高く、次いで、「休日・休暇」41.8%、「賃金額」36.0%、「賃金制度」33.4%、「労働協約の解釈・疑義に関する事項」28.4%、「退職給付(一時金・年金)」26.1%などとなっている。

次に、団体交渉の状況をみると、過去3年間に使用者側との間で「団体交渉を行った」割合は67.6%となっている。団体交渉を行った労働組合について交渉形態をみると(複数回答)、「当該労働組合のみで交渉」が84.1%と最も多く、次いで、「企業内上部組織又は企業内下部組織と一緒に交渉」12.0%、「企業外上部組織(産業別組織)と一緒に交渉」4.3%などとなった。