約3人に1人が過去3年間にパワハラ受けた経験が

厚生労働省は、「職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書」をまとめた。同省がパワハラに関する調査を行ったのは平成24年に次いで今回が2度目。調査は、従業員(正社員)30人以上の企業2万社(回収率22.9%)及び20~64歳の男女1万人を対象に、平成28年7月から10月にかけて実施している。

調査結果をみると、過去3年間にパワハラを受けたことがあると回答した者の割合は32.5%(平成24年調査25.3%)となっている。また、企業が設けている従業員向けの相談窓口で相談の多いテーマ(上位2項目)としては(複数回答)、「パワーハラスメント」が32.4%と最も多く、次いで、「メンタルヘルス」28.1%、「賃金・労働時間等の勤労条件」18.2%、「セクシュアルハラスメント」14.5%の順。

パワハラを受けたと感じた者のその後の行動としては(複数回答)、「会社とは関係のないところに相談した」24.4%、「会社関係に相談した」20.6%、「会社を休んだり退職した」17.0%となっており、一方、「何もしなかった」が40.9%となっている。パワハラを受けたと感じても何もしなかった理由をみると(複数回答)、「何をしても解決にならないと思ったから」が68.5%と最も多く、次いで、「職務上不利益が生じると思ったから」24.9%、「何らかの行動をするほどのことではなかったから」13.6%、「職場の上司や同僚との人間関係が悪くなることが懸念されたから」13.4%、「パワーハラスメント行為がさらにエスカレートすると思ったから」12.9%の順となっている。

パワハラの予防・解決に向けた取組みを実施している企業割合は52.2%(平成24年調査45.5%)。

取組みを実施している企業における取組内容としては(複数回答)、「相談窓口を設置した」82.9%、「管理職を対象にパワーハラスメントについての講演や研修会を実施した」63.4%、「就業規則などの社内規定に盛り込んだ」61.1%、「一般社員等を対象にパワーハラスメントについての講演や研修会を実施した」41.2%などとなった。