精神障害者・発達障害者などに対する訓練科拡充を

厚生労働省の「障害者職業能力開発校の在り方に関する検討会」(座長・松爲信雄文京学院大学人間学部客員教授)が報告書をまとめた。

報告書は、検討の方向性として、精神障害者や発達障害者などに対する訓練科の拡充の必要性や、障害者であることを明かすのをためらうなど、特別な配慮が必要な者に対する一般の訓練科の整備の必要性などを挙げている。そのうえで、障害者職業能力開発校(障害校)及び一般の職業能力開発校(一般校)における障害者を対象とした職業訓練の一層の強化を図るための対応策について提言している。

その主な内容は、まず、訓練科について、精神障害者及び発達障害者等を対象とした訓練科の拡充が障害校・一般校とも必要としている。また、一般校において、精神障害者及び発達障害者等を対象とした訓練課の設置が必要であるとし、当該訓練科の設置の際には、精神保健福祉士等の専門家の配置を検討すべきとしている。さらに、一般校において、就業経験がないまたは少ない若者等を対象とした就業に必要な知識、マナー等を習得するための比較的短期間の訓練課の整備が必要としている。

さらに、平成29年度末までに施設の建替えを完了することを予定している東京障害者職業能力開発校では、平成30年度以降、精神障害者及び発達障害者等を対象とした訓練科の拡充を図るなど、他の障害校の取組みに先駆けて、精神障害者及び発達障害者等を対象とした職業訓練をより強化することが重要としている。

職業訓練指導員等の体制、人材育成については、障害者を対象とした訓練科に特化した職業訓練指導員の配置基準を設けることを提案している。また、都道府県に対し、職業訓練指導員等が、中央障害者職業能力開発校及び吉備高原障害者職業能力開発校で実施する「専門訓練コース設置・運営サポート事業」、「指導技法等体験プログラム」を積極的に受講するよう勧奨することが必要としている。