立替払額は8年ぶりに増加に転じ約87億円に

厚生労働省は、平成29年度の未払賃金立替払事業の実施状況をまとめた。

同事業は、企業倒産に伴い、賃金が支払われないまま退職を余儀なくされた労働者に対して、未払となっている賃金の一部を事業主に代わり立て替えるもの(退職日における年齢に応じた限度額あり)。

それによると、29年度に立替払を行ったのは、企業数が1979件(対前年度比2.5%減)、支給者数が2万2458人(同2.4%増)、立替払額が86億6445万円(同3.6%増)となっている。企業数は8年連続の減少、支給者数と立替払額は8年ぶりの増加となった。また、1人当たりの平均立替払額は38万6000円(対前年度比1.3%減)となっている。

企業規模別にみた立替払の状況は、企業数は30人未満が1782件と全体の90.0%を占めており、ほかでは、30~299人が193件(全体の9.8%)、300人以上が4件(同0.2%)となっている。支給者数は30人未満が1万582人(全体の47.1%)、30~299人が1万415人(同46.4%)、300人以上が1461人(同6.5%)となっている。立替払額は30人未満が46億5100万円(全体の53.7%)、30~299人が37億2900万円(同43.0%)、300人以上が2億8400万円(同3.3%)となった。

また、業種別の立替払状況は、企業数が最も多いのは商業の453件(全体の22.9%)、次いで、製造業361件(同18.2%)、建設業340件(同17.2%)、接客娯楽業244件(同12.3%)の順となっている。

支給者数が最も多いのは製造業の4586人(全体の20.4%)、次いで、商業4395人(同19.6%)、接客娯楽業2861人(同12.7%)、保健衛生業2521人(同11.2%)の順となっている。

立替払額が最も多いのは製造業の20億5100万円(全体の23.7%)、次いで、商業17億5800万円(同20.3%)、建設業9億5000万円(同11.0%)、保健衛生業8億1400万円(同9.4%)の順となった。