相談件数は前年度の約4倍の1万8207件に
厚生労働省は、平成26年度の都道府県労働局雇用均等室へのパートタイム労働に関する相談状況などをまとめた。
それによると、相談件数は1万8207件となっており、前年度(4646件)の約4倍となった。相談者の内訳をみると、事業主からの相談が1万2610件(全体の69.3%)、短時間労働者からの相談が1572件(同8.6%)、その他の者からの相談が4025件(同22.1%)となっている。
相談内容の内訳をみると、「指針」関係と「その他(年休、解雇、社会保険等)」を除くパートタイム労働法の規定に関しては、「通常の労働者への転換」が1103件(全体の6.1%)と最も多く、次いで、「労働条件の文書交付等」922件(同5.1%)、「差別的取扱いの禁止」906件(同5.0%)、「賃金の均衡待遇」736件(同4.0%)、「待遇に関する説明」543件(同3.0%)、「短時間雇用管理者」173件(同1.0%)、「教育訓練」171件(同0.9%)、「福利厚生施設」163件(同0.9%)と続いている。なお、相談件数全体の69.4%を占めている「その他」(1万2640件)の多くは、平成27年4月1日施行の改正法に関する相談となっている。
次に、パートタイム労働法第24条(旧法第21条)、第25条(同第22条)による紛争解決の援助についてみると、都道府県労働局長による紛争解決の援助申立受理件数は2件(前年度3件)、均衡待遇調停会議による調停申請受理件数は1件(同0件)となっている。労働局長による紛争解決の援助申立は、いずれも労働者からの申立であり、その内容は、「差別的取扱いの禁止」と「待遇に関する説明」が各1件となっている。
また、パートタイム労働法第18条(旧法第16条)に基づく都道府県労働局雇用均等室における是正指導状況をみると、8939事業所を対象に雇用管理の実態把握を行い、同法違反が確認された8121事業所に対し2万1980件の是正指導を実施している。
前年度と比べると、いずれもやや減少しており、雇用管理の実態把握を行った事業所数は386ヵ所(4.1%)の減少、是正指導実施事業所数は462ヵ所(5.4%)の減少、是正指導件数は1841件(7.7%)の減少となっている。
是正指導の内容をみると、「通常の労働者への転換」が5032件(全体の22.9%)と最も多く、次いで、「労働条件の文書交付等」4739件(同21.6%)、「短時間雇用管理者の選任」3494件(同15.9%)、「就業規則の作成手続」3212件(同14.6%)、「賃金の均衡待遇」1155件(同5.3%)などとなっている。
是正指導件数が多い項目について最近5年間の推移をみると、「通常の労働者への転換」は、22年度7193件、23年度6575件、24年度5127件、25年度5752件、「労働条件の文書交付等」は、22年度6133件、23年度5430件、24年度4472件、25年度5013件、「短時間雇用管理者の選任」は、22年度5094件、23年度4511件、24年度3408件、25年度3432件、「就業規則の作成手続」は、22年度2963件、23年度3556件、24年度2773件、25年度3417件──となっており、25年度はそれ以前の減少傾向から増加に転じていたが、26年度は減少傾向となっている。