現在の勤め先に「満足」が「不満」を大きく上回る

 厚生労働省は、平成27年「転職者実態調査」の結果をまとめた。調査は、常用労働者5人以上を雇用する約1万7000事業所及び当該事業所で働く転職者(調査時点前1年の間に、当該事業所に無期雇用または1年以上の有期雇用でフルタイム労働者として雇用された者で、当該事業所に雇用される前の1年間に他の企業に雇用された経験のある者)約1万1000人を対象に平成27年10月1日時点で実施している(有効回答率:事業所調査61.8%、個人調査54.4%)。

 まず、事業所調査の結果をみると、「一般労働者(フルタイム労働者)がいる事業所」のうち、「転職者がいる事業所」割合は35.7%、「雇用期間の定め無し転職者がいる事業所」は30.4%、「1年以上の雇用期間の定め有り転職者がいる事業所」は9.5%となっている。

 転職者がいる事業所の転職者の採用理由(3つまでの複数回答)を職種ごとにみると、「管理的な仕事」及び「専門的・技術的な仕事」では、「経験を活かし即戦力になるから」とする事業所割合がそれぞれ64.4%、64.8%と最も高く、次いで、「専門知識・能力があるから」がそれぞれ43.0%、55.0%となった。

 一方、「事務的な仕事」、「販売の仕事」、「サービスの仕事」及び「保安、生産工程、輸送・機械運転、建設・採掘、運搬・清掃・包装等、その他の仕事」では、「離職者の補充のため」が最も高くなっている。

 今後3年間に「転職者を採用する予定がある」事業所割合は52.6%となっており、このうち、「転職者を優先して採用したい」が33.2%、「新規学卒者を優先して採用したい」が12.2%となっている。

 次に、個人調査の結果をみると、転職者が直前の勤め先を離職した主な理由は、「自己都合」が75.5%と最も高い。「自己都合」による離職理由(3つまでの複数回答)をみると、「労働条件(賃金以外)がよくなかったから」が27.3%と最も高く、次いで、「満足のいく仕事内容でなかったから」26.7%、「賃金が低かったから」25.1%となっている。

 転職者の現在の勤め先における職業生活全体の満足度をみると、「満足」20.0%、「やや満足」33.3%、「不満」2.6%、「やや不満」10.3%、「どちらともいえない」35.5%となっており、「満足」(「満足」と「やや満足」の合計)が「不満」(「不満」と「やや不満」の合計)を大きく上回った。