法違反率は82.9%、改善基準告示違反率は60.7%

厚生労働省は、トラック、バス、タクシーなど自動車運転者を使用する事業場に対する平成26年の監督指導状況、送検状況をまとめた。

それによると、監督指導を実施した事業場数は3907事業場で、そのうち何らかの労働基準関係法令違反が認められた事業場数は3240事業場(違反率82.9%)となっている。また、自動車運転者の拘束時間や運転時間などの基準を定めた告示(「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」平成元年労働省告示第7号。通称・改善基準告示)の違反が認められた事業場数は2373事業場(違反率60.7%)となっている。違反率を前年と比べると、労働基準関係法令違反は前年(82.1%)より0.8ポイントの上昇、改善基準告示違反は前年(58.7%)より2.0ポイントの上昇となった。

業種ごとの監督指導状況をみると、トラックは、監督実施事業場数が2765事業場、そのうち労働基準関係法令違反事業場数が2311事業場(違反率83.6%)、改善基準告示違反事業場数が1845事業場(同66.7%)、バスは、監督実施事業場数が262事業場、そのうち労働基準関係法令違反事業場数が195事業場(同74.4%)、改善基準告示違反事業場数が147事業場(同56.1%)、ハイヤー・タクシーは、監督実施事業場数が502事業場、そのうち労働基準関係法令違反事業場数が438事業場(同87.3%)、改善基準告示違反事業場数が206事業場(同41.0%)などとなっている。

労働基準関係法令違反の主な違反事項(業種別)は、トラックは、労働時間1643事業場(違反率59.4%)、割増賃金659事業場(同23.8%)、休日191事業場(同6.9%)、バスは、労働時間118事業場(同45.0%)、割増賃金47事業場(同17.9%)、休日16事業場(同6.1%)、ハイヤー・タクシーは、労働時間245事業場(同48.8%)、割増賃金150事業場(同29.9%)、休日27事業場(同5.4%)などとなっている。

また、改善基準告示違反の主な違反事項(業種別)は、トラックは、最大拘束時間1517事業場(違反率54.9%)、総拘束時間1198事業場(同43.3%)、休息期間1181事業場(同42.7%)、連続運転時間954事業場(同34.5%)、最大運転時間605事業場(同21.9%)、バスは、最大拘束時間90事業場(同34.4%)、総拘束時間85事業場(同32.4%)、休息期間51事業場(同19.5%)、連続運転時間34事業場(同13.0%)、最大運転時間18事業場(同6.9%)、ハイヤー・タクシーは、最大拘束時間153事業場(同30.5%)、総拘束時間118事業場(同23.5%)、休息期間53事業場(同10.6%)などとなった。

次に、送検状況をみると、労働基準関係法令違反により送検した件数は56件となっており、前年(69件)と比べ13件減少している。業種別にみた送検件数は、トラックが40件(前年48件)、バスが3件(同3件)、ハイヤー・タクシーが6件(同12件)となっている。