法違反率は前年を0.8ポイント下回る70.6%に

厚生労働省は、平成28年に実施した外国人技能実習生の実習実施機関に対する監督指導の結果及び送検の状況などについてまとめた。

同省では、技能実習生を含めた外国人労働者については、法定労働条件確保上の問題が認められる事案が多いことから、労働基準行政と職業安定行政が連携を図りつつ事業主等に対して労働基準関係法令を周知している。また、それとともに、労働契約締結時の労働条件の書面による明示、賃金支払いの適正化などの徹底を図っている。

28年に全国の労働基準監督機関が監督指導を実施した実習実施機関は5672事業場で、そのうち4004事業場に労働基準法や労働安全衛生法などの法違反が認められた(違反は実習実施機関に認められたもので、日本人労働者に係る違反も含まれる)。違反率は前年(71.4%)を0.8ポイント下回る70.6%となり、3年連続の低下となった。

主な違反内容をみると、労働基準法関係では、「労働時間」が1348事業場(違反率23.8%)と最も多く、以下、「割増賃金の支払」771事業場(同13.6%)、「労働条件の明示」505事業場(同8.9%)、「賃金の支払」477事業場(同8.4%)、「就業規則」470事業場(同8.3%)、「賃金台帳」338事業場(同6.0%)、「寄宿舎の安全基準」153事業場(同2.7%)と続いている。

このほかに、労働安全衛生法関係の違反では、安全基準関係の違反が1097事業場(違反率19.3%)、衛生基準関係の違反が531事業場(同9.4%)、健康診断関係の違反が505事業場(同8.9%)、また、最低賃金法関係の違反が90事業場(同1.6%)に認められた。

次に、送検状況をみると、件数は40件で前年(46件)より6件減少している。違反法令別では、労働基準法・最低賃金法違反が39件(前年35件)、労働安全衛生法違反が1件(同11件)となっている。