死亡者数は前年同期比3.7%増の872人

厚生労働省は、平成29年の労働災害発生状況をまとめた(平成30年1月9日現在の速報値)。それによると、昨年1年間に発生した労働災害による死亡者数は872人となり、前年同期に比べ31人(3.7%)増加した。また、休業4日以上の死傷者数は10万8110人で、前年同期に比べ2340人(2.2%)増加している。死亡者数を業種別にみると、最も多いのは建設業の293人(全体の33.6%)、次いで、第三次産業210人(同24.1%)、製造業148人(同17.0%)、陸上貨物運送事業113人(同13.0%)の順となっている。

 労働災害による年間死亡者数は、平成27年に初めて1000人を下回る972人となり、28年はさらに減少して928人となった。

同省がこのほどまとめた速報値では、29年の死亡者数は872人で、前年同期より31人増加している。これを業種別にみると、最も多いのは建設業の293人(全体の33.6%)、次いで、第三次産業210人(同24.1%)、製造業148人(同17.0%)、陸上貨物運送事業113人(同13.0%)、林業40人(同4.6%)の順となっている。なお、第三次産業の内訳では、商業が76人(第三次産業の中の36.2%)と最も多く、次いで、清掃・と畜42人(同20.0%)、警備業30人(同14.3%)の順となっている。

業種別にみた前年比では、減少したのは第三次産業(12人減)、製造業(8人減)、農業、畜産・水産業(4人減)、港湾運送業(2人減)の4業種で、一方、陸上貨物運送事業(30人増)、建設業(16人増)、鉱業(7人増)、交通運輸事業(2人増)、林業(2人増)の5業種では増加となった。

次に、休業4日以上の死傷者数は10万8110人で、前年同期(10万5770人)より2340人増加した。業種別では、最も多いのは第三次産業の4万9400人(全体の45.7%)、次いで、製造業2万4290人(同22.5%)、建設業1万3839人(同12.8%)、陸上貨物運送事業1万3402人(同12.4%)、交通運輸事業2908人(同2.7%)の順となっている。なお、第三次産業の内訳では、商業が1万6142人(第三次産業の中の34.1%)と最も多く、次いで、保健衛生業1万369人(同18.9%)、接客・娯楽7656人(同15.4%)、清掃・と畜5360人(同11.6%)、通信2249人(同4.9%)の順となった。

前年との比較では、減少しているのは林業(247人減)と交通運輸事業(83人減)の2業種のみで、他の業種では増加しており、第三次産業が1612人増加、陸上貨物運送事業が721人増加、製造業が171人増加などとなっている。

なお、確定値は毎年5月にまとめられるが、今回の速報値からみて、29年は死亡者数・死傷者数ともに前年を上回る可能性が高く、そうなると死亡者数は3年ぶり、死傷者数は2年連続の増加になる。