正社員雇用を創造する地域の取組みを支援
厚生労働省は、平成28年度第二次補正予算で創設した「地域活性化雇用創造プロジェクト」の28年度実施地域(18地域を予定)を近く決定する。同事業は、安定的な正社員雇用を創造していくため、地域の産業政策と一体となった地域の自主的な雇用創造の取組みを支援するもの。事業の実施期間は原則3年間で、費用の8割を国が補助する(年間上限額10億円)。なお、28年度に限っては、事業開始が29年1月以降となるため、国が全額補助する。また、同事業については、29年度予算概算要求で約70億円を要求している。
この事業は、各都道府県の提案する産業政策と一体となって雇用を創出する事業から、コンテスト方式により、安定的な正社員雇用の創造効果が高い事業を選定し、事業に要する経費の一部を国が補助するもの。平成25年度から実施している「戦略産業雇用創造プロジェクト」をリニューアルした形で、「戦略産業雇用創造プロジェクト」は主に製造業を対象としていたが、「地域活性化雇用創造プロジェクト」は全産業を対象としている。プランを選定された都道府県は、地域の関係者(自治体、経済団体、金融機関、教育・研究機関等)で構成する協議会を設置したうえで事業を実施する。
事業内容には、多くの地域で戦略産業として位置づけられ、他の業種と比較して賃金水準が高いなど、安定的な正社員雇用を創造する製造業、建設業、情報通信業等を中心とした「地域産業活性化コース」と、全産業を対象とした「地域雇用活性化コース」の2種類がある。コースごとに、①事業推進・基盤整備メニュー(両コース共通)、②事業主向け雇用創造メニュー(地域産業活性化コース)、③事業主向け雇用拡大支援メニュー(地域雇用活性化コース)、④求職者向け就職支援・人材育成メニュー(両コース共通)、⑤指定事業主雇用助成メニュー(両コース共通)──の4つのメニューで構成する。
事業内容(例)としては、事業主向け雇用創造メニューには、新規創業、新分野への進出、研究開発等による事業の拡大などの地域の雇用機会の拡大を図る取組みの支援等、事業主向け雇用拡大支援メニューには、有識者等の派遣による雇用管理改善の指導や研修・セミナー等の実施がある。
また、求職者向け就職支援・人材育成メニューには、合同面接会や企業が求める人材の首都圏等からの確保、地域求職者に対する人材育成、職場体験などの研修等の実施がある。
事業の実施期間は原則3年間で、上記の事業メニューを実施するための費用の8割(平成28年度のみ10割)を国が補助する(年間上限額10億円)。