正社員等の雇用は23年8月から16期連続不足状態

厚生労働省は、「労働経済動向調査(平成27年5月)」の結果をまとめた。

調査結果によると、27年5月1日現在の労働者過不足状況は、正社員等労働者を「不足」とする事業所割合は33%、一方、「過剰」とする事業所割合は5%となっている。この結果、正社員等労働者過不足判断指数(「不足」と回答した事業所の割合から「過剰」と回答した事業所の割合を差し引いた値)はプラス28ポイントとなり、23年8月以降16期連続して不足超過となった。

これを産業別にみると、すべての業種で不足超過となっており、「運輸業、郵便業」(プラス45ポイント)、「医療、福祉」(同37ポイント)、「建設業」(同34ポイント)、「情報通信業」(同34ポイント)、「学術研究、専門・技術サービス業」(同33ポイント)での不足超過幅が大きい。

次に、雇用調整を実施した事業所割合(27年1~3月期実績)は28%で、前期(26年10~12月=30%)と比べ2ポイントの減少となった。雇用調整の実施方法をみると、「配置転換」が15%(前期15%)と最も多く、次いで、「残業規制」10%(前期11%)、「休日の振替、夏季休暇等の休日・休暇の増加」8%(同10%)、「出向」7%(同8%)──の順となっている。

産業別にみた雇用調整実施事業所の割合は、「建設業」15%(前期26%)、「製造業」33%(同32%)、「情報通信業」25%(同27%)、「運輸業、郵便業」27%(同27%)、「卸売業、小売業」27%(同33%)、「金融業、保険業」22%(同27%)、「不動産業、物品賃貸業」23%(同27%)、「学術研究、専門・技術サービス業」28%(同29%)、「宿泊業、飲食サービス業」15%(同16%)、「生活関連サービス業、娯楽業」19%(同19%)、「医療、福祉」32%(同31%)、「サービス業」21%(同26%)となっている。