是正支払額は2年連続で増加し約446億円に

厚生労働省は、平成29年度の賃金不払残業(サービス残業)の是正結果をまとめた。今回まとめられたのは、全国の労働基準監督署が、賃金不払残業に関する労働者からの申告や各種情報に基づき企業への監督指導を行った結果、平成29年4月から30年3月までの期間に不払いだった割増賃金が各労働者に支払われたもののうち、その支払額が1企業で合計100万円以上の事案。

それによると、是正企業数は1870企業(前年度比521企業増加)、対象労働者数は20万5235人(同10万7257人増加)、支払われた割増賃金の合計額は446億4195万円(同319億1868万円増加)となっている。支払われた割増賃金の平均額は1企業当たり2387万円(前年度943万円)、労働者1人当たり22万円(同13万円)となっている。企業数は3年連続の増加、対象労働者数及び是正支払額は2年連続の増加となる。

次に、業種別の状況をみると、企業数が最も多いのは製造業の412企業(全体の22.0%)、次いで、商業372企業(同19.9%)、保健衛生業240企業(同12.8%)、建設業202企業(同10.8%)の順となっている。

対象労働者数が最も多いのは運輸交通業の6万9469人(全体の33.8%)、次いで、製造業5万6190人(同27.4%)、保健衛生業2万3776人(同11.6%)、商業1万2927人(同6.3%)の順となった。

是正支払額が最も多いのは運輸交通業の224億598万円(全体の50.2%)、次いで、製造業91億4210万円(同20.5%)、保健衛生業47億7547万円(同10.7%)、商業21億6340万円(同4.8%)の順となっている。