是正指導件数は前年度比32%増の2万9024件に
厚生労働省は、平成27年度の都道府県労働局雇用均等室へのパートタイム労働法に関する相談状況などをまとめた。
それによると、相談件数は9361件となっており、前年度(1万8207件)と比べ8846件(48.6%)の減少となった。相談者の内訳をみると、事業主からの相談が5145件(全体の55.0%)、短時間労働者からの相談が2044件(同21.8%)、その他の者からの相談が2172件(同23.2%)となっている。
相談内容の内訳をみると、「指針」関係と「その他(年休、解雇、社会保険等)」を除くパートタイム労働法の規定に関しては、「労働条件の文書交付等」が1745件(全体の18.6%)と最も多く、次いで、「相談のための体制の整備」1195件(同12.8%)、「措置の内容の説明」880件(同9.4%)、「通常の労働者への転換」873件(同9.3%)、「差別的取扱いの禁止」754件(同8.1%)、「賃金の均衡待遇」503件(同5.4%)、「待遇に関する説明」451件(同4.8%)、「短時間労働者の待遇の原則」243件(同2.6%)と続いた。
次に、パートタイム労働法第24条、第25条による紛争解決の援助についてみると、都道府県労働局長による紛争解決の援助申立受理件数は1件(前年度2件)、均衡待遇調停会議による調停申請受理件数は0件(同1件)となった。都道府県労働局長による紛争解決の援助申立は労働者からの申立であり、その内容は、「差別的取扱いの禁止」となっている。
また、パートタイム労働法第18条に基づく都道府県労働局雇用均等室における是正指導状況をみると、9080事業所を対象に雇用管理の実態把握を行い、このうち何らかの同法違反が確認された8286事業所に対し、2万9024件の是正指導を実施している。
前年度と比べると、いずれも増加しており、雇用管理の実態把握を行った事業所数は141ヵ所(1.6%)の増加、是正指導実施事業所数は165ヵ所(2.0%)の増加、是正指導件数は7044件(32.0%)の増加となっている。
是正指導の内容をみると、「労働条件の文書交付等」が6343件(全体の21.9%)と最も多く、次いで、「通常の労働者への転換」4401件(同15.2%)、「措置の内容の説明」3982件(同13.7%)、「就業規則の作成手続」3511件(同12.1%)、「短時間雇用管理者の選任」2726件(同9.4%)などとなった。
是正指導件数が多い項目について最近5年間の推移をみると、「労働条件の文書交付等」は、23年度5430件、24年度4472件、25年度5031件、26年度4739件、「通常の労働者への転換」は、23年度6575件、24年度5127件、25年度5752件、26年度5032件、「就業規則の作成手続」は、23年度3556件、24年度2773件、25年度3417件、26年度3212件──となっている(「措置の内容の説明」に関する義務規定は、27年4月1日施行の改正法により新設)。