是正指導件数は前年度と比べ87.3%増の4万142件
厚生労働省は、平成29年度に都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に寄せられた育児・介護休業法に関する相談状況などをまとめた。それによると、相談件数は7万7963件となっており、前年度(10万7564件)と比べ2万9601件(27.5%)減少しているいる。
相談内容の内訳をみると、育児関係(5万3865件)では、「育児休業」が2万7639件(育児関係に係る相談の51.3%)、「育児休業以外(子の看護休暇、所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限、所定労働時間の短縮措置等、労働者の配置に関する配慮)」1万7329件(同32.2%)、「育児休業に係る不利益取扱い」4090件(同7.6%)、「育児休業等に関するハラスメントの防止措置」3163件(同5.9%)、「育児休業以外に係る不利益取扱い」1644件(同3.1%)などとなった。
一方、介護関係(2万1588件)では、「介護休業以外(介護休暇、所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限、所定労働時間の短縮措置等、労働者の配置に関する配慮)」1万37件(介護関係に係る相談の46.5%)、「介護休業」8643件(同40.0%)、「介護休業等に関するハラスメントの防止措置」2107件(同9.8%)、「介護休業に係る不利益取扱い」501件(同2.3%)、「介護休業以外に係る不利益取扱い」300件(同1.4%)などとなっている。
次に、都道府県労働局長による紛争解決の援助についてみると、申立受理件数は119件(育児関係109件、介護関係10件)となっており、前年度(186件)と比べ67件(36.0%)減少した。
育児関係に関する申立の内容をみると、「育児休業に係る不利益取扱い」が58件(育児関係の申立の48.7%)と最も多く、ほかでは、「育児休業(期間雇用者の育児休業を除く)」15件(同12.6%)、「期間雇用者の育児休業」、「育児休業以外に係る不利益取扱い」、「休業等に関するハラスメントの防止措置」がいずれも8件(同6.7%)などとなっている。
両立支援調停会議による調停申請受理件数は10件となっており、前年度(5件)と比べ5件(100.0%)増加した。申請の内容は、育児関係は、「育児休業に係る不利益取扱い」4件(育児関係の申請の44.4%)、「育児休業(期間雇用者の育児休業を除く)」、「育児休業以外に係る不利益取扱い」がともに2件(同22.2%)、介護関係は、「介護休業(期間雇用者に係る介護休業を除く)」が1件となった。
都道府県労働局雇用環境・均等部(室)が行った是正指導状況をみると、29年度は8980事業所(対前年度比32.6%増)を対象に雇用管理の実態把握を行い、そのうち何らかの育児・介護休業法違反が確認された8434事業所(同36.7%増)に対して4万142件(同87.3%増)の是正指導を実施した。
是正指導の内訳は、育児関係(1万6491件)では、「休業等に関するハラスメントの防止措置」が5741件(育児関係の是正指導の34.8%)と最も多く、次いで、「育児休業」3654件(同22.2%)、「所定労働時間の短縮措置等(小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関する措置)」1785件(同10.8%)、「子の看護休暇」1594件(同9.7%)、「所定労働時間の短縮措置等(3歳に満たない子を養育する労働者に関する措置)」1384件(同8.4%)と続いている。
介護関係(2万316件)では、「休業等に関するハラスメントの防止措置」が5726件(介護関係の是正指導の28.2%)と最も多く、次いで、「介護休業」4448件(同21.9%)、「所定労働時間の短縮措置等(対象家族を介護する労働者に関する措置)」4051件(同19.9%)、「介護休暇」1835件(同9.0%)、「所定外労働の制限」1717件(同8.5%)と続いている。