是正指導件数は前年度と比べ49%増の1万4595件
厚生労働省は、平成29年度に都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に寄せられた男女雇用機会均等法関係の相談状況、同部(室)が行った同法関係の是正指導状況などをまとめた。
それによると、相談件数は1万9187件となっており、前年度(2万1050件)と比べ1863件(8.9%)減少している。
相談内容をみると、最も多いのは、「セクシュアルハラスメント」で6808件(全体の35.5%)、次いで、「婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い」4434件(同23.1%)、「母性健康管理」2686件(同14.0%)、「妊娠・出産等に関するハラスメント」2506件(同13.1%)、「その他(ポジティブ・アクション等)」1487件(同7.8%)、「性差別(募集・採用、配置・昇進、教育訓練、間接差別等)」1266件(同6.6%)の順となっている。
29年度に新たになされた都道府県労働局長による紛争解決の援助の申立受理件数は208件で前年度(294件)と比べ86件(28.6%)減少した。内容別では、「セクシュアルハラスメント」が101件(全体の48.6%)と最も多く、次いで、「婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い」78件(37.5%)、「妊娠・出産に関するハラスメント」16件(同7.7%)、「母性健康管理」10件(同4.8%)、「配置・昇進・降格・教育訓練等」2件(同1.0%)、「募集・採用」1件(同0.5%)の順となった。
なお、29年度中に援助を終了した事案203件(前年度から引き続いて援助を行ったものを含む)のうち、約6割の119件が都道府県労働局長が助言・指導・報告を行った結果、解決している。
また、機会均等調停会議による調停申請受理件数は46件で前年度(71件)と比べ25件(35.2%)減少した。内容別では、「セクシュアルハラスメント」が34件(全体の73.9%)と最も多く、ほかでは、「婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い」11件(同23.9%)、「配置・昇進・降格・教育訓練等」1件(同2.2%)となった。
なお、調停を開始した45件(前年度の申請受理案件を含む)のうち、調停案の受諾勧告を行ったものは16件で、そのうち13件が調停案を双方受諾し、解決に至っている。
次に、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)が行った是正指導状況をみると、8222事業所を対象に雇用管理の実態把握を行い、そのうち何らかの均等法違反が認められた6912事業所に対し1万4595件の是正指導を行った。前年度と比べると、法違反事業場数は1125事業場(19.4%)の増加、是正指導件数は4822件(49.3%)の増加となっている。
是正指導の内容は、「妊娠・出産に関するハラスメント」が5764件(全体の39.5%)と最も多く、次いで、「セクシュアルハラスメント」4458件(同30.5%)、「母性健康管理」4248件(同29.1%)、「募集・採用」59件(同0.4%)、「婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い」35件(同0.2%)、「配置・昇進・降格・教育訓練等」30件(同0.2%)の順となっている。