是正指導件数は前年度と比べ24.6%の減少に

厚生労働省は、平成28年度に都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に寄せられた男女雇用機会均等法関係の相談状況などをまとめた。それによると、相談件数は2万1050件(27年度2万3371件)となった(28年度からの都道府県労働局の組織見直しに伴い、相談件数の計上方法の変更を行ったため、27年度と単純比較できない)。

相談内容をみると、最も多いのは、「セクシュアルハラスメント」で7526件(全体の35.8%)、次いで、「婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い」5933件(同28.2%)、「母性健康管理」2755件(同13.1%)、「その他(ポジティブ・アクション等)」2144件(同10.2%)、「妊娠・出産等に関するハラスメント」1411件(同6.7%)、「性差別(募集・採用、配置・昇進、教育訓練、間接差別等)」1281件(同6.1%)の順となっている。

28年度に新たになされた都道府県労働局長による紛争解決の援助の申立受理件数は294件で前年度(346件)と比べ52件(15.1%)減少した。内容別では、「婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い」が146件(全体の49.7%)と最も多く、次いで、「セクシュアルハラスメント」125件(同42.5%)、「母性健康管理」12件(同4.1%)、「配置・昇進・降格・教育訓練等」5件(同1.7%)、「妊娠・出産等に関するハラスメント」5件(同1.7%)の順となった。

なお、28年度中に援助を終了した事案307件(前年度から引き続いて援助を行ったものを含む)のうち、約7割の216件が都道府県労働局長が助言・指導・報告を行った結果、解決している。

また、機会均等調停会議による調停申請受理件数は71件で前年度(58件)と比べ13件(22.4%)増加した。内容別では、「セクシュアルハラスメント」が50件(全体の70.4%)と最も多く、ほかでは、「婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い」14件(同19.7%)、「母性健康管理」4件(同5.6%)、「配置・昇進・降格・教育訓練等」3件(同4.2%)となっている。

なお、調停を開始した66件(前年度の申請受理案件を含む)のうち、調停案の受諾勧告を行ったものは42件で、そのうち37件が調停案を双方受諾し、解決に至った。

次に、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)が行った是正指導状況をみると、7257事業所を対象に雇用管理の実態把握を行い、そのうち何らかの均等法違反が認められた5787事業所に対し9773件の是正指導を行った。前年度と比べると、法違反事業場数は17事業場(0.3%)減少、是正指導件数は3191件(24.6%)減少となっている。

是正指導の内容は、「母性健康管理」が4917件(全体の50.3%)と最も多く、次いで、「セクシュアルハラスメント」3860件(同39.5%)、「妊娠・出産等に関するハラスメント」840件(同8.6%)、「募集・採用」71件(同0.7%)、「婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い」51件(同0.5%)、「配置・昇進・降格・教育訓練等」31件(同0.3%)の順となった。