新卒求人を不受理とする職業安定法の特例を創設
厚生労働省は2月27日、適切な職業選択の支援に関する措置、職業能力の開発・向上に関する措置等を総合的に講ずることにより、青少年の雇用の促進等を図り、能力を有効に発揮できる環境を整備するため、関係法律の整備を行う「勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律案要綱」を労働政策審議会(会長・樋口美雄慶應義塾大学商学部教授)に諮問した。諮問を受けた同審議会は、これを同審議会職業安定分科会(分科会長・阿部正浩中央大学経済学部教授)及び職業能力開発分科会(分科会長・小杉礼子独立行政法人労働政策研究・研修機構特任フェロー)で検討した結果、諮問案を「おおむね妥当と認める」とする答申を取りまとめ、同日、塩崎厚労相に提出した。
法案要綱は、(1)勤労青少年福祉法の一部改正、(2)職業安定法の一部改正、(3)職業能力開発促進法の一部改正──の3本柱から成っている。
勤労青少年福祉法の改正では、適職選択のための取組みを促進するため、新規学卒者の募集を行う企業は、青少年の募集・採用の状況、職業能力の開発・向上並びに職場への定着の促進に関する取組みの状況などを提供するよう努めるとともに、応募者から求められた場合は、これらの情報を提供しなければならないとしている。
また、公共職業安定所は、一定の労働関係法令違反があった求人者について、新規学卒者の求人申込を受理しないことができるとしている(公共職業安定所は、「求人の申込はすべて受理しなければならない」と規定している職安法第5条の5の特例)。
職業能力開発促進法の改正では、キャリアコンサルタント試験は、厚生労働大臣が行うものとし、キャリアコンサルタントを登録制とするとしている。
なお、施行期日は、新規学卒者を募集する企業の情報提供の(努力)義務、公共職業安定所での求人不受理の特例については平成28年3月1日、キャリアコンサルタントの登録制の創設については28年4月1日──などとなっている。
同省は、法案を今通常国会に提出し、その成立を期すこととしている。