所定内給与は2年ぶりに増加に転じ29万9600円

厚生労働省がまとめた平成26年「賃金構造基本統計調査」の結果によると、一般労働者の男女計の賃金は29万9600円(年齢42.1歳、勤続12.1年)、対前年増減率は1.3%増となり、2年ぶりに増加した。

調査は、平成26年6月分の所定内給与(毎月支払われる給与から時間外・休日・深夜労働などに対する手当を差し引いた額で、所得税などを控除する前の額)について調べたもので、今回まとめられたのは、常用労働者10人以上規模の約5万事業所について。

男女別にみた一般労働者(短時間労働者以外の常用労働者)の賃金は、男性32万9600円(年齢42.9歳、勤続13.5年)、女性23万8000円(年齢40.6歳、勤続9.3年)となっている。前年と比べると、男性は1.1%増、女性は2.3%増となっている。

年齢階級別の賃金を男女にみると、男性の賃金がピークとなるのは50~54歳で42万2600円、女性のピークは45~49歳で26万3500円となっている。

学歴別の賃金(男女別)は、男性は大学・大学院卒39万6400円(前年比0.3%増)、高専・短大卒30万4000円(同1.6%増)、高校卒28万6800円(同1.3%増)となっている。一方、女性は大学・大学院卒28万4700円(前年比1.2%増)、高専・短大卒24万9100円(同1.8%増)、高校卒20万5700円(同2.4%増)となっている。

企業規模別の賃金(男女別)は、男性は大企業(常用労働者1000人以上)38万1900円(前年比0.9%増)、中企業(常用労働者100~999人)31万2100円(前年比0.9%増)、小企業(常用労働者10~99人)28万5900円(前年比0.1%増)となっている。女性は大企業26万5200円(前年比2.2%増)、中企業23万3800円(同1.8%増)、小企業21万4600円(同1.3%増)となっている。

次に、短時間労働者の賃金(男女別、時間額)をみると、男性1120円(前年1095円)、女性1012円(同1007円)となっている。

主な産業別では、製造業が男性1186円(前年1198円)、女性917円(同904円)、卸売業、小売業が男性1012円(同1000円)、女性939円(同941円)、宿泊業、飲食サービス業が男性941円(同921円)、女性912円(同899円)、サービス業(他に分類されないもの)が男性1136円(同1078円)、女性989円(同965円)となっている。

最後に、都道府県別の賃金(男女別)をみると、男性で最も高いのは東京の41万3800円、次いで、神奈川36万4400円、大阪35万2200円、愛知33万7800円の順。逆に、最も低いのは沖縄の25万1400円、次いで、青森25万3300円、岩手25万7700円の順となっている。一方、女性で最も高いのは東京の29万8000円、次いで、神奈川26万5200円、大阪25万7800円、千葉24万8900円の順。逆に、最も低いのは青森の18万7200円、次いで、沖縄19万3600円、岩手と佐賀がともに19万4600円の順となっている。