度数率、強度率ともに前年よりやや上昇する
厚生労働省は、平成28年「労働災害動向調査(事業所調査(事業所規模100人以上)及び総合工事業調査)」の結果をまとめた。
この調査は、労働災害の発生状況に関し、災害の発生頻度や重さの程度について調べたもの。調査対象は、事業所調査は常用労働者10人以上の民・公営事業所約3万2000事業所、総合工事業は労災保険の概算保険料が160万円以上または工事の請負金額が税抜き1億8000万円以上(保険関係成立年月日が平成27年3月31日以前の工事現場については、税込み1億9000万円以上)の工事現場延べ5000工事現場。なお、今回の結果では、100人以上の労働者がいる1万429事業所及び総合工事業の延べ4627工事現場について集計している。
まず、事業所調査の結果をみると、度数率(100万延べ労働時間あたりの労働災害による死傷者数で、災害の発生頻度を表す)は1.63(前年1.61)、強度率(1000延べ実労働時間あたりの労働損失日数で、災害の重さの程度を表す)は0.10(前年0.07)となっている。また、死傷者1人平均の労働損失日数は60.0日(前年41.0日)となっている。
産業別にみた度数率、強度率は、度数率が最も高いのは、「農業、林業」の4.31(前年4.68)、次いで、「生活関連サービス業、娯楽業」(一部の業種に限る)3.90(同3.92)、「宿泊業、飲食サービス業」(旅館、ホテルに限る)3.28(同3.40)、「運輸業、郵便業」2.97(同3.20)、「サービス業(他に分類されないもの)」(一部の種に限る)2.72(同2.85)の順となった。
強度率が最も高いのは、「サービス業(他に分類されないもの)」(一部の業種に限る)の0.66(前年0.09)、次いで、「建設業」(総合工事業を除く)0.17(同0.02)、「運輸業、郵便業」0.14(同0.16)、「農業、林業」0.13(同0.09)、「生活関連サービス業、娯楽業」(一部の業種に限る)0.09(同0.31)の順となっている。
次に、総合工事業(工事現場)についてみると、度数率が0.64(前年0.92)、強度率が0.11(同0.21)となっている。また、死傷者1人平均の労働損失日数は168.2日(前年227.1日)となった。