年休の取得率は2年連続で上昇して49.4%に
厚生労働省はこのほど、平成29年「就労条件総合調査」の結果をまとめた。
この調査は、賃金・労働時間制度、定年制などについて毎年実施しているもの。29年は、常用労働者30人以上の民営企業6367社(有効回答4432社)を対象に、29年1月1日現在の状況(年間については28年1年間または27会計年度の状況)について実施している。
調査結果の中から、年次有給休暇の取得状況をみると、平成28年(または平成27会計年度)1年間に企業が付与した年次有給休暇の日数(繰越分を除く)は、労働者1人平均18.2日(前年18.1日)、そのうち労働者が取得した日数は9.0日(同8.8日)で、取得率は49.4%(同48.7%)となっている。取得率が前年を上回ったのは2年連続で、現在の調査対象になった平成19年以降では最も高い水準となっている。
また、年次有給休暇の取得率を男女別にみると、男性が46.8%(前年45.8%)、女性が55.4%(同54.1%)となっており、女性が男性を8.6ポイント上回っている。企業規模別にみた取得率は、1000人以上で55.3%(前年54.7%)、300~999人で48.0%(同47.1%)、100~299人で46.5%(同44.8%)、30~99人で43.8%(同43.7%)となっており、小規模企業ほど取得率が低い。
変形労働時間制の導入状況をみると、採用企業割合は57.5%(前年60.5%)となっている。種類別(複数回答)の採用企業割合は、「1年単位の変形労働時間制」33.8%(前年34.7%)、「1か月単位の変形労働時間制」20.9%(同23.9%)、「フレックスタイム制」5.4%(同4.6%)となっている。
また、みなし労働時間制の採用企業割合は14.0%(前年11.7%)となった。みなし労働時間制の種類別(複数回答)では、「事業場外のみなし労働時間制」12.0%(同10.0%)、「専門業務型裁量労働制」2.5%(同2.1%)、「企画業務型裁量労働制」1.0%(同0.9%)となっている。
次に、賃金制度に関して時間外労働の割増賃金率についてみると、「一律に定めている」企業割合は83.4%(前年83.1%)、「時間外労働時間数等に応じて異なる率を定めている」10.3%(同9.4%)などとなった。「一律に定めている」企業における率をみると、「25%」が93.5%(前年93.3%)と9割以上を占め、「26%以上」が6.3%(同6.1%)となっている。
割増賃金率を「26%以上」としている企業割合を規模別にみると、規模が大きいほど割合が高く、1000人以上で22.6%(前年22.6%)、300~999人で13.1%(同13.5%)、100~299人で8.6%(同7.3%)、30~99人で4.4%(同4.5%)となっている。
また、時間外労働の割増賃金率を定めている企業のうち、1ヵ月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率を定めている企業割合は32.2%(前年27.4%)となっている。そのうち、率を「25~49%」とする企業割合は49.6%(同45.4%)、「50%以上」48.9%(同53.4%)となった。
1ヵ月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率を「50%以上」とする企業割合を規模別にみると、1000人以上で96.4%(前年91.0%)、300~999人で85.4%(同84.0%)、100~299人で60.2%(同60.3%)、30~99人で30.9%(同35.4%)となっている。