年休の取得率は2年ぶりに低下し47.6%

厚生労働省は、平成27年「就労条件総合調査」の結果をまとめた。それによると、年次有給休暇の取得率は47.6%となっており、2年ぶりに前年を下回った。

この調査は、賃金・労働時間制度、定年制などについて毎年実施しているもの。27年調査は、常用労働者30人以上の民営企業6302社(有効回答4432社)を対象に、27年1月1日現在の状況(年間については26年1年間または25会計年度の状況)について実施している(27年調査から「会社企業以外の民営法人」(医療法人、社会福祉法人、各種の協同組合等)を調査対象に加えている。これに伴い、これまで会社組織の民営企業が少なかったため調査対象から除いていた「複合サービス事業」を調査対象に含めている。このため、時系列での比較には注意が必要)。

調査結果の中から、まず、労働時間制度に関してみると、主な週休制の形態は、「何らかの週休2日制」を採用している企業割合は85.2%(前年84.3%)、「完全週休2日制」が50.7%(同46.9%)となっている(「複合サービス事業」を含まない完全週休2日制の企業割合は47.8%)。

「完全週休2日制」の企業割合を規模別にみると、1000人以上で69.3%(前年72.5%)、300~999人で59.5%(同62.0%)、100~299人で54.1%(同52.0%)、30~99人で48.3%(同43.5%)となった。

年次有給休暇の取得状況をみると、平成26年(または平成25会計年度)1年間に企業が付与した年次有給休暇の日数(繰越分を除く)は、労働者1人平均18.4日(前年18.5日)、そのうち労働者が取得した日数は8.8日(同9.0日)で、取得率は47.6%(同48.8%)となっている(「複合サービス事業」を含まない取得率は47.3%)。

変形労働時間制の導入状況をみると、採用企業割合は52.8%(前年55.6%)となっている(「複合サービス事業」を含まない採用企業割合は52.1%)。

種類別(複数回答)の採用企業割合は、「1年単位の変形労働時間制」30.6%(前年35.4%)、「1か月単位の変形労働時間制」20.3%(同17.9%)、「フレックスタイム制」4.3%(同5.3%)となった。

また、みなし労働時間制の採用企業割合は13.0%(前年13.3%)となっている(「複合サービス事業」を含まない採用企業割合は15.0%)。種類別(複数回答)では、「事業場外のみなし労働時間制」11.3%(同11.3%)、「専門業務型裁量労働制」2.3%(同3.1%)、「企画業務型裁量労働制」0.6%(同0.8%)となった。

次に、賃金制度に関して時間外労働の割増賃金率についてみると、「一律に定めている」企業割合は80.3%(前年82.0%)、「時間外労働時間数等に応じて異なる率を定めている」9.2%(同7.8%)などとなっている。「一律に定めている」企業における率をみると、「25%」が93.8%(前年93.5%)と9割以上を占め、「26%以上」が6.1%(同6.5%)となった。

割増賃金率を「26%以上」としている企業割合を規模別にみると、規模が大きいほど割合が高く、1000人以上で23.3%(前年25.9%)、300~999人で13.2%(同17.9%)、100~299人で8.0%(同8.9%)、30~99人で4.3%(同4.1%)となっている。

また、時間外労働の割増賃金率を定めている企業のうち、1ヵ月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率を定めている企業割合は25.7%(前年29.3%)となっている。そのうち、率を「25~49%」とする企業割合は46.1%(同45.7%)、「50%以上」53.2%(同54.0%)となった。

1ヵ月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率を「50%以上」とする企業割合を規模別にみると、1000人以上で89.3%(前年88.3%)、300~999人で81.3%(同78.9%)、100~299人で57.7%(同58.7%)、30~99人で35.6%(同40.5%)となった。