年休の取得率は2年ぶりに上昇し48.7%
厚生労働省はこのほど、平成28年「就労条件総合調査」の結果をまとめた。
この調査は、賃金・労働時間制度、定年制などについて毎年実施しているもの。28年は、常用労働者30人以上の民営企業6310社(有効回答4520社)を対象に、28年1月1日現在の状況(年間については27年1年間または26会計年度の状況)について実施している。
調査結果の中から、まず、労働時間制度に関してみると、主な週休制の形態は、「何らかの週休2日制」を採用している企業割合は88.6%(前年85.2%)、「完全週休2日制」が49.0%(同50.7%)となっている。「完全週休2日制」の企業割合を規模別にみると、1000人以上では69.1%(前年69.3%)、300~999人では60.0%(同59.5%)、100~299人では49.6%(同54.1%)、30~99人では47.2%(同48.3%)となった。
年次有給休暇の取得状況をみると、平成27年(または平成26会計年度)1年間に企業が付与した年次有給休暇の日数(繰越日数を除く)は、労働者1人平均18.1日(前年18.4日)、そのうち労働者が取得した日数は8.8日(同8.8日)で、取得率は48.7%(同47.6%)となっている。年次有給休暇の取得率を男女別にみると、男性が45.8%(前年44.7%)、女性が54.1%(同53.3%)となっており、女性が男性を8.3ポイント上回っている。
変形労働時間制の導入状況をみると、採用企業割合は60.5%(前年52.8%)となっている。種類別(複数回答)の採用企業割合は、「1年単位の変形労働時間制」34.7%(前年30.6%)、「1か月単位の変形労働時間制」23.9%(同20.3%)、「フレックスタイム制」4.6%(同4.3%)となった。
また、みなし労働時間制の採用企業割合は11.7%(前年13.0%)となっている。これを種類別(複数回答)にみると、「事業場外のみなし労働時間制」10.0%(同11.3%)、「専門業務型裁量労働制」2.1%(同2.3%)、「企画業務型裁量労働制」0.9%(同0.6%)となっている。
次に、賃金制度に関して時間外労働の割増賃金率についてみると、「一律に定めている」企業割合は83.1%(前年80.3%)、「時間外労働時間数等に応じて異なる率を定めている」9.4%(同9.2%)などとなっている。「一律に定めている」企業における率をみると、「25%」が93.3%(前年93.8%)と9割以上を占め、「26%以上」が6.1%(同6.1%)となった。
割増賃金率を「26%以上」としている企業割合を規模別にみると、規模が大きいほど割合が高く、1000人以上では22.6%(前年23.3%)、300~999人では13.5%(同13.2%)、100~299人では7.3%(同8.0%)、30~99人では4.5%(同4.3%)となっている。
また、時間外労働の割増賃金率を定めている企業のうち、1ヵ月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率を定めている企業割合は27.4%(前年25.7%)となった。そのうち、割増賃金率を「25~49%」とする企業割合は45.4%(同46.1%)、「50%以上」53.4%(同53.2%)となっている。