常時介護の最高限度を月10万5290円に引上げ

労災保険給付の介護(補償)給付の最高限度額及び最低保障額が改定され、平成30年4月1日から施行される。

厚生労働省は、昨年12月18日、介護(補償)給付の最高限度額及び最低保障額の改定などを内容とした労災保険法施行規則等の改正案要綱を労働政策審議会(会長・樋口美雄慶應義塾大学商学部教授)に諮問した。諮問を受けた同審議会は、これを同審議会労働条件分科会労災保険部会(部会長・荒木尚志東京大学大学院法学政治学研究科教授)で検討した結果、諮問案を「妥当と認める」とする答申を取りまとめ、同21日、加藤厚労相に提出した。

最高限度額は、常時介護を要する者は10万5290円(現行10万5130円)、随時介護を要する者は5万2650円(同5万2570円)にそれぞれ引き上げられる。最低保障額は、常時介護を要する者は5万7190円(同5万7110円)、随時介護を要する者は2万8600円(同2万8560円)にそれぞれ引き上げられる(額はいずれも月額)。

労災保険では、業務上の災害・通勤災害により介護を要する状態になった労働者については、介護に要した費用を介護(補償)給付として支給している。同給付には、最高限度額及び最低保障額が定められており、額は他の制度の介護手当の支給限度額との均衡を考慮して設定されている。これらは、人事院の国家公務員の給与勧告率にあわせて改定されている。そして、今般、平成29年度の人事院勧告により、0.15%のプラス改定が行われることから、平成30年度から介護(補償)給付の最高限度額及び最低保障額を改定することになった。