定年後は業績達成への責任「軽くなった」が約6割

(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構の「70歳雇用時代における一貫した人事管理のあり方に関する研究会」(委員長・今野浩一郎学習院大学経済学部教授)はこのほど、「高齢者の就業と意識に関する調査」の結果(速報値)をまとめた。調査は、従業員規模31人以上の企業に勤務する60歳以上の雇用者(役員を含む)を対象に、2015年2月に実施している(有効回答1077件)。

調査結果の中から、継続雇用者(現在働いている企業で正社員経験が20年以上あり、現在勤務する企業や関連会社で定年を迎え働いている者)の集計結果(738件)をみると、就業している理由(複数回答)で最も多いのは、「現在の生活のため」で78.5%、次いで、「老後の生活に備えて」47.6%、「健康のため」35.4%、「会社や職場から働くことを望まれているから」32.2%、「自分の経験や能力を活かしたいから」31.8%の順となっている。

次に、仕事の内容の変化(59歳時点と現在の担当業務の変化)についてみると、「業績達成への責任の重さ」では、軽くなった者(「やや軽くなった」と「軽くなった」の合計)が58.8%と過半数を占め、「変わらない」者が35.1%、「担当業務に求められる専門性」では、「変わらない」者が64.1%、低くなった者(「やや低くなった」と「低くなった」の合計)が23.6%、「担当する仕事の範囲」では、「変わらない」者が46.1%、狭くなった者(「やや狭くなった」と「狭くなった」の合計)が40.5%、「仕事の量」では、減った者(「やや減った」と「減った」の合計)が52.0%、「変わらない」者が36.3%──となっている。

現在の年収をみると、「300~400万円未満」が22.9%と最も多く、以下、「200~300万円未満」22.2%、「400~500万円未満」13.4%、「500~600万円未満」7.5%、「600~700万円未満」6.1%、「100~200万円未満」5.6%、「1000万円以上」4.6%──と続いている。