婚姻で姓が変わると「仕事上不便生じる」46.7%

内閣府は、「家族の法制に関する世論調査」の結果をまとめた。調査は、全国18歳以上の男女5000人を対象に昨年11月から12月にかけて実施し、有効回答があった2952人について集計している(有効回答率59.0%)。

調査結果の中から、仕事と婚姻による姓の変更に関する部分をみると、婚姻前から仕事をしていた人が、婚姻によって姓を変えると仕事の上で何らかの不便を生ずることがあると思うかについて、「何らかの不便を生ずることがあると思う」と答えた者の割合が46.7%、「何らの不便も生じないと思う」50.7%となっている。

「何らかの不便を生ずることがあると思う」と答えた者の割合を男女別にみると、男性が47.6%、女性が46.0%となっており、あまり差はみられない。年齢別では、18~29歳から50~59歳で50%台と比較的高くなっている。また、就業上の地位別にみると、雇用者では52.9%と半数を超えており、職業別では、専門職・技術職(60.9%)、事務職(61.6%)では6割以上になった。

「何らかの不便を生ずることがあると思う」と答えた者に、そのことについてどう思うか尋ねたところ、「婚姻をする以上、仕事の上で何らかの不便が生ずるのは仕方がない」と答えた者の割合が22.1%、「婚姻をしても、仕事の上で不便を生じないようにした方がよい」59.9%、「どちらともいえない」17.8%となっている。

「婚姻をしても、仕事の上で不便を生じないようにした方がよい」と答えた者の割合を男女別にみると、男性が60.4%、女性が59.4%、また、年齢別では、30~39歳から60~69歳で60%台と高い。就業上の地位別にみると、雇用者では63.0%と6割を超えており、職業別では、専門職・技術職(69.8%)、事務職(68.4%)では約7割になっている。

さらに、「婚姻をしても、仕事の上で不便を生じないようにした方がよい」と答えた者に、仕事の上での不便を生じさせないため、婚姻で姓が変わっても婚姻前の姓を通称として使うことについてどう思うか尋ねたところ、「仕事の上で通称を使うことができれば、不便を生じないで済むと思う」と答えた者の割合が57.7%、「仕事の上で通称を使うことができても、それだけでは、対処しきれない不便があると思う」41.2%となっている。