大学生2人の内定取消し行った1社の企業名公表

厚生労働省は、平成27年度新卒者の内定取消しの状況をまとめた。併せて、内定取消しを行った企業のうち1社について、職業安定法施行規則に基づく企業名公表を行った。

 それによると、内定取消しを行った学生・生徒数は82人(32事業所)となっている。内定取消し者数を学校種別にみると、大学生、短期大学生、専修学校生等が42人、高校生が40人となっている。産業別では、卸売、小売業が28人(全体の34.1%)と最も多く、次いで、製造業が23人(同28.0%)、医療、福祉が11人(同13.4%)、学術研究、専門・技術サービス業が5人(同6.1%)、生活関連サービス、娯楽業が4人(同4.9%)、情報通信業が3人(同3.7%)の順となっている。なお、内定取消しとなった82人のうち、52人は平成28年8月末までに新たな就職先を確保している。

 また、職業安定法施行規則の規定に基づいて1社の企業名が公表された。

 職業安定法施行規則第35条は、新規学卒者を雇入れようとする者が、内定の取消しや入職時期の繰下げなどを行う場合、その旨を所轄公共職業安定所長に通知する必要があると規定している。

 そして、その通知は都道府県労働局長を経て厚生労働大臣に報告され、その通知内容(内定取消し等)が、①2年以上連続して行われた、②同一年度内に10名以上の者に対して行われた、③事業活動の縮小を余儀なくされているとは明らかに認められない──などの場合は、厚生労働大臣はその内容(企業名)を公表することができることになっている(同則第17条の4)。

 企業名が公表されたのは、「トシン・グループ株式会社」(東京都新宿区新宿、卸売業)。同社は、事業活動の縮小を余儀なくされているものとは明らかに認められないときに大学生2人の内定取消しを行った。

 なお、同制度による企業名公表は今回が8度目で、公表企業は今回の1社を含め計26社となった。