労災認定件数は石綿肺54件を含めて1040件に

厚生労働省は、平成29年度における石綿(アスベスト)による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況(速報値)をまとめた。

それによると、石綿による疾病(肺がん、中皮腫、良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚)に係る労災保険給付の請求件数は1083件となっており、前年度(1109件)と比べ26件(2.3%)減少している(28年度の数値は確定値。以下同じ)。また、支給決定件数(29年度に請求されたものに限らない)は、23年度から集計を始めた石綿肺の54件を含め1040件となっている(28年度の石綿肺の支給決定件数は74件)。なお、石綿肺を除いた支給決定件数は986件で前年度(981件)と比べ5件(0.5%)の増加となった。

これを疾病別にみると、請求件数は、肺がん443件(前年度427件)、中皮腫571件(同595件)、良性石綿胸水25件(同30件)、びまん性胸膜肥厚44件(同57件)となっている。支給決定件数は、肺がん334件(同386件)、中皮腫564件(同540件)、良性石綿胸水39件(同20件)、びまん性胸膜肥厚49件(同35件)となっている。

次に、平成18年3月27日に施行された石綿救済法に基づく特別遺族給付金の請求・決定状況をみると、請求件数は45件となっており、前年度(36件)と比べ9件(25.0%)増加している。また、支給決定件数は15件で前年度(13件)と比べ2件(15.4%)増加した。

支給決定件数を疾病別にみると、肺がん14件(28年度10件)、中皮腫1件(同1件)、石綿肺0件(同2件)、びまん性胸膜肥厚0件(0件)となっている(請求時には疾病名は記載しないため、疾病別の請求件数は集計できない)。