労災認定は石綿肺の65件を含め1032件に

厚生労働省は、平成27年度における石綿(アスベスト)による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況(速報値)をまとめた。

それによると、石綿による疾病(肺がん、中皮腫、良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚)に係る労災保険給付の請求件数は1062件となっており、前年度(1096件)と比べ34件(3.1%)減少している(26年度の数値は確定値。以下同じ)。また、支給決定(労災認定)件数(27年度に請求されたものに限らない)は、23年度から集計を始めた石綿肺の65件を含め1032件となっている(26年度の石綿肺の支給決定件数は78件)。なお、石綿肺を除いた支給決定件数は967件で前年度(1002件)と比べ35件(3.5%)の減少となった。

これを疾病別にみると、請求件数は、肺がん416件(前年度465件)、中皮腫575件(同561件)、良性石綿胸水26件(同26件)、びまん性胸膜肥厚45件(同44件)となっている。支給決定件数は、肺がん360件(同391件)、中皮腫539件(同529件)、良性石綿胸水20件(同32件)、びまん性胸膜肥厚48件(同50件)となっている。

次に、平成18年3月27日に施行された石綿救済法に基づく特別遺族給付金の請求・決定状況をみると、請求件数は31件となっており、前年度(36件)と比べ5件(13.9%)減少している。また、支給決定件数は前年度と同数の20件となった。

支給決定件数を疾病別にみると、肺がん12件(前年度13件)、中皮腫8件(同6件)、石綿肺0件(同0件)、びまん性胸膜肥厚0件(1件)となっている(請求時には疾病名は記載しないため、疾病別の請求件数は集計できない)。