労働条件確保のための自主点検の実施求める
厚生労働省は、高校生アルバイトの多い業界団体に対し、高校生及び高等専修学校生のアルバイトに関し、労働基準関係法令遵守のほか、シフト設定などの課題解決に向けた自主的な点検の実施を要請した。
今回の要請は、同省が平成27年12月から28年2月にかけて実施した「高校生に対するアルバイトに関する意識等調査」の結果を踏まえて行ったもの。同調査結果では、アルバイトをする際に、労働条件を明示した書面を交付されていないものが全体の60%あり、また、労働条件に関して何らかのトラブルがあったと回答した者の割合が32.6%となっている(本誌第1892号既報)。
要請の主な内容は、①労働契約の締結の際の労働条件の明示、賃金の適正な支払い、休憩時間の付与、満18歳未満の時間外・休日・深夜労働の禁止等の労働基準関係法令を遵守すること、②高校生等の本分である学業とアルバイトの適切な両立のため、シフト設定などの課題へ配慮すること──となっている。
なお、今回の要請では、「高校生等のアルバイトの労働条件に関する自主点検表」を要請文に添付し、各要請先団体の会員企業への周知・活用の勧奨を求めている。自主点検表は、「労働基準関係法令に違反する事項」、「労働基準関係法令に違反するおそれがある事項」、「学業とアルバイトの両立のために特に配慮が必要な事項」について合計24のチェック項目を掲げ、併せて、各チェック項目に対応した労働基準法、労働安全衛生法などの規定を示している。