労働基準法等改正案は会期末処理で継続審議

先月18日に閉会した今年の通常国会(第193回通常会)で継続審議となっていた「労働基準法等の一部を改正する法律案」は、会期末処理により継続審議扱いとなった。

同法案は、中小企業における月60時間超の時間外労働への割増賃金率の適用猶予を廃止すること、一定額以上の年収がある高度な専門業務に就く労働者について、本人の同意などを要件として、労働時間の規制を適用除外とすること(高度プロフェッショナル制度の創設)などが主な内容。

法案は、平成27年4月3日に閣議決定され、同日、国会(第189回通常会)に提出された。しかし、同国会では、審議に入ることなく継続審議となった。そして、その後の国会においても質疑などは一切行われず、継続審議となった。

また、先の通常国会に法案提出が予定されていた受動喫煙防止対策の強化を図る「健康増進法改正案」は、法案の内容をめぐり
政府・与党内の調整がつかなかったため提出に至らず、次の国会以降に持ち越される形になった。同改正案は、多くの人が利用する施設等における受動喫煙の防止に係る対策を強化するため、施設等の区分に応じ、施設等の一定の場所を除き禁煙にするというもの。

厚生労働省は、法案の内容(基本的考え方)として、①医療施設、小中高校等は敷地内禁煙、②大学、老人福祉施設、体育館、官公庁施設、バス、タクシー等は屋内・車内禁煙(喫煙専用室設置も不可)、③飲食店、集会所、事務所、鉄道等は一定の基準に適合した喫煙専用室を除き屋内・車内禁煙(ただし、飲食店のうち、小規模のバー、スナック等は喫煙可)──などとする案を示していたが、喫煙を可能とする飲食店の具体的な範囲などを決めることができず、法案提出は見送りとなった。