働き方の「人並みで十分」過去最高の58.3%

公益財団法人日本生産性本部「職業のあり方研究会」(岩間夏樹座長)と一般社団法人日本経済青年協議会は、平成28年度新入社員「働くことの意識」調査結果をまとめた。

調査は、平成28年度新社会人研修村(国立オリンピック記念青少年総合センター)に参加した企業の新入社員を対象に実施しており、有効回収した1286人(男性788人、女性497人、性別無回答1人)について集計している。

調査結果をみると、「働く目的」の設問に対しては、平成12年度以降急増している「楽しい生活をしたい」が過去最高を更新し41.7%となり、ほかでは、「経済的に豊かになる」27.0%、「自分の能力をためす」12.4%、「社会に役立つ」9.3%となっている。

「人並み以上に働きたいかどうか」の設問に対しては、「人並みで十分」が4年連続で増加し過去最高の58.3%(前年53.5%)となり、一方、「人並み以上」は4年連続で減少し34.2%(同38.8%)となった。

「仕事」中心か「(私)生活」中心かという設問では、「両立」が80.3%と圧倒的に多いが、残りの「仕事」中心と「(私)生活」中心という回答は、「(私)生活」中心(11.0%)が「仕事」中心(8.6%)を上回っている。

「どのポストまで昇進したいか」の設問では、「役職には付きたくない+どうでもよい」20.0%、「課長+係長+主任班長」18.6%、「専門職(スペシャリスト)」17.8%、「部長」17.4%、「社長」10.8%となっている。しかし、この設問に関しては男女の違いが大きく、男性は、「部長」(24.1%)、「社長」(15.9%)の順に多いが、女性は、「課長+係長+主任班長」(30.8%)、「役職には付きたくない+どうでもよい」(29.6%)の順に多く、「部長」(6.6%)や「社長」(2.8%)は男性に比べてかなり少ない。

これを10年前(平成18年度)と比べると、男性では、「社長」という回答は大きく減り(18年度24.8%、28年度15.9%)、「部長」が増えている(18年度20.7%、28年度24.1%)。一方、女性では、「専門職(スペシャリスト)」が大きく減り(18年度35.2%、28年度22.3%)、「課長+係長+主任班長」が増えている(18年度18.9%、28年度30.8%)。

「会社を選ぶとき、あなたはどういう要因をもっとも重視しましたか」の設問に対する回答では、「自分の能力、個性が生かせるから」が33.2%と最も多く、次いで、「仕事が面白いから」17.3%、「技術が覚えられるから」12.3%の順となっている。

また、「第一志望の会社に入れた」という回答は、平成24年度の60.9%から25年度は52.0%(設問設定以来最低)と大幅に減少したが、その後は26年度55.0%、27年度56.4%と改善傾向が続き、28年度は60.2%となった。