供給実人員は前年度比9.9%増の3万1795人に

厚生労働省は、「労働者供給事業報告書」(平成28年度)を取りまとめた。「労働者供給」は、供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させるもの(労働者派遣に該当するものは含まれない)。労働者供給を業として行うことは職業安定法で禁止されており、例外として、労働組合等が厚生労働大臣の許可を受けた場合は、無料の労働者供給事業を行うことができる。

同省のまとめによれば、労働者供給事業を実施している組合等の数は95組合で、前年度に比べて3組合の増加となっている。供給実績をみると、需要延人員は189万1924人(対前年度比7.5%増)、供給延人員は185万815人(同8.8%増)、供給実人員は3万1795人(同9.0%増)となっている。

また、平成29年3月末日における供給対象組合員数は、常用供給数(常態的に供給の対象となる組合員数)が1万826人(対前年度比5.6%増)、臨時的供給数(他の雇用主に雇用さている者等で、仕事の繁閑に応じて雇用主の了解を取って臨時的に供給の対象となる組合員数)が2210人(同25.4%増)の合計1万3036人(同8.5%増)となっている。

供給実人員を職業別にみると、「自動車運転」2万7774人(対前年度比5.1%増)、「建設」526人(同791.5%増)、「運搬労務」1793人(同23.0%増)、「その他」1702人(同38.4%増)となっている。また、職業別にみた供給対象組合員数は、「自動車運転」7397人(対前年度比7.7%増)、「建設」1961人(同32.6%増)、「運搬労務」1386人(同5.1%減)、「その他」2292人(同4.1%増)となっている。