人材を養成する訓練から就職支援まで一括で支援
厚生労働省は、建設業界の人手不足解消を支援する「建設労働者緊急育成支援事業」を27年度から新たに実施する。
建設業界では、近年続いていた建設投資の急激な減少に伴うダンピング等の受注競争の激化などにより経営を取り巻く環境が悪くなり、それとともに就労者の雇用環境が悪化し、若年入職者が減少している。建設業における就業者の年齢構成比をみると(平成26年)、29歳以下が10.7%と全産業平均(16.4%)を下回り、一方、55歳以上が34.3%と全産業平均(28.9%)を上回っている(総務省「労働力調査」をもとに国土交通省で算出)。こうした状況により、建設業界では将来的な技能労働者の不足が強く懸念されている。
同省が新たに創設する事業は、離職者・転職者、新規学卒者、学卒未就職者等に対し、研修、実習等の訓練から就職支援までをパッケージとして行うもの。事業は、無料職業紹介事業の許可を得ている建設関係の事業団体などに委託して実施する(5年間の時限措置)。
対象となる職種は、型枠工、鉄筋工、とび工などの人材不足職種。養成期間は1ヵ月から6ヵ月程度で、対象経費には、座学・実習・現場実習などの養成費のほか、教材費や事業実施に要する一般事務費等が含まれる。なお、同事業による養成人数は、5年間で5000人(初年度は600人程度)を予定している。