ホームヘルパーの平均所定月給は19万7041円

公益財団法人介護労働安定センター(久志実理事長)はこのほど、平成28年度「事業所における介護労働実態調査・介護労働者の就業実態と就業意識調査」の結果をまとめた。

調査は、全国の介護保険事業所約1万8000事業所とそこで働く介護にかかわる労働者約5万3000人を対象に、平成28年10月1日現在で実施している(有効回答率:事業所調査51.0%、労働者調査40.9%)。

まず、事業所調査の結果をみると、従業員の過不足については、「おおいに不足」8.6%、「不足」23.1%、「やや不足」30.9%、「適当」37.0%、「過剰」0.3%となっており、6割以上が不足感を示している。不足している理由としては(複数回答)、「採用が困難である」が73.1%と最も高く、採用が困難である原因としては(複数回答)、「賃金が低い」(57.3%)、「仕事がきつい(身体的・精神的)」(49.6%)、「社会的評価が低い」(41.1%)などが多い。

賃金についてみると、所定内賃金の平均額は、時給制の者では、訪問介護員(介護保険法の指定を受けた訪問介護事業所で働き、高年齢者等の家庭を訪問して家事などの生活援助、入浴などの身体介護を行う者。いわゆるホームヘルパー)1255円、介護職員(訪問介護以外の介護保険の指定介護事業所で働き、直接介護を行う者。看護職は含まない)945円、月給制の者では、訪問介護員19万7041円、介護職員20万8162円となっている。

次に、労働者調査の結果をみると、現在の仕事を選んだ理由は(複数回答)、「働きがいのある仕事だと思ったから」が52.4%と最も高く、以下、「資格・技能が活かせるから」38.3%、「今後もニーズが高まる仕事だから」31.9%と続いている。

また、現在の仕事の満足度(「満足」と「やや満足」の合計)をみると、「職業生活全体」では25.1%となっている。項目別では、「仕事の内容・やりがい」(52.1%)、「職場の人間関係、コミュニケーション」(46.7%)、「職場の環境」(38.7%)、「雇用の安定性」(35.0%)で満足度が高く、逆に、「教育訓練・能力開発のあり方」(19.0%)や「賃金」(19.8%)は満足度が低い。

労働条件等の悩み、不安、不満などをみると(複数回答)、「人手が足りない」が53.2%と最も高く、以下、「仕事内容のわりに賃金が低い」41.5%、「有給休暇がとりにくい」34.9%、「身体的負担が大きい(腰痛や体力に不安がある)」29.9%、「精神的にきつい」28.1%、「業務に対する社会的評価が低い」27.5%──と続いている。