ホームヘルパーの平均所定月給は19万1751円

公益財団法人・介護労働安定センター(久志実理事長)はこのほど、「平成27年度介護労働実態調査・介護労働者の就業実態と就業意識調査」の結果をまとめた。

 調査は、全国の介護保険事業所約1万8000事業所で働く介護にかかわる労働者約5万4000人を対象に、平成27年10月1日現在で実施している(有効回答率41.3%)。

 調査結果をみると、主な仕事(職種)での平均勤続年数は、訪問介護員(介護保険法の指定を受けた訪問介護事業所で働き、高年齢者等の家庭を訪問して家事などの生活援助、入浴などの身体介護を行う者。いわゆるホームヘルパー)5.2年、サービス提供責任者6.2年、介護職員(訪問介護以外の介護保険の指定介護事業所で働き、直接介護を行う者。看護職は含まない)4.6年、介護支援専門員7.0年などとなった。

 賃金についてみると、所定内賃金の平均額は、時給制の者では、訪問介護員1289円、介護職員935円、月給制の者では、訪問介護員19万1751円、介護職員19万8675円となっている。また、平成27年9月1ヵ月間の平均実賃金(諸手当を含めた税込み)は、時給制の者では、訪問介護員7万7907円、介護職員10万9420円、月給制の者では、訪問介護員21万1067円、介護職員22万5299円となった。

 次に、仕事についての考え方をみると、現在の仕事を選んだ理由は(複数回答)、「働きがいのある仕事だと思ったから」が52.2%と最も高く、以下、「資格・技能が活かせるから」35.8%、「今後もニーズが高まる仕事だから」34.1%、「人や社会の役に立ちたいから」31.8%と続いている。また、現在の仕事の満足度(「満足」と「やや満足」の合計)をみると、「職業生活全体」では25.7%となっている。項目別では、「仕事の内容・やりがい」(52.9%)、「職場の人間関係、コミュニケーション」(46.5%)、「職場の環境」(38.8%)、「雇用の安定性」(35.5%)で満足度が高く、逆に、「教育訓練・能力開発のあり方」(19.1%)や「賃金」(19.7%)は満足度が低い。

 労働条件等の悩み、不安、不満などをみると(複数回答)、「人手が足りない」が50.9%と最も高く、以下、「仕事内容のわりに賃金が低い」42.3%、「有給休暇がとりにくい」34.6%、「身体的負担が大きい(腰痛や体力に不安がある)」30.4%、「業務に対する社会的評価が低い」29.4%、「精神的にきつい」27.9%、「休憩が取りにくい」26.4%──と続いている。