パート法違反による是正指導が年約2万7000件

厚生労働省は、平成28年度に都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に寄せられたパートタイム労働法に関する相談状況などをまとめた。それによると、相談件数は2607件(前年度9361件)となっている(28年度からの都道府県労働局の組織見直しに伴い、相談件数の計上方法の変更を行ったため、27年度と単純比較できない)。

相談内容の内訳をみると、体制整備に関する相談(労働条件の文書交付等、就業規則の作成手続、待遇に関する説明、相談のための体制整備、短時間雇用管理者の選任など)が664件(全体の25.5%)と最も多く、次いで、均等・均衡待遇に関する相談(短時間労働者の待遇の原則、差別的取扱いの禁止、賃金の均衡待遇、教育訓練など)が546件(同20.9%)、正社員転換に関する相談が478件(同18.3%)となっている。

次に、パートタイム労働法第24条、第25条による紛争解決の援助についてみると、都道府県労働局長による紛争解決の援助申立受理件数は5件(前年度1件)、均衡待遇調停会議による調停申請受理件数は3件(同0件)となった。

都道府県労働局長による紛争解決援助の申立内容をみると、「労働条件の文書交付等」、「差別的取扱いの禁止」、「通常の労働者への転換」、「措置の内容の説明」、「待遇に関する説明」についてそれぞれ1件となっている。調停申請の内容は、「労働条件の文書交付等」、「通常の労働者への転換」、「待遇に関する説明」についてそれぞれ1件となっている。

また、パートタイム労働法第18条に基づく都道府県労働局雇用環境・均等部(室)における是正指導状況をみると、8832事業所を対象に雇用管理の実態把握を行い、そのうち何らかのパートタイム労働法違反が確認された7830事業所に対し、2万2737件の是正指導を実施した。

是正指導の内容をみると、「労働条件の文書交付等」が6056件(全体の26.6%)と最も多く、次いで、「通常の労働者への転換」4236件(同18.6%)、「相談のための体制の整備」2919件(同12.8%)「措置の内容の説明」2674件(同11.8%)、「その他(指針等)」2201件(同9.7%)、「短時間雇用管理者の選任」2162件(同9.5%)、「就業規則の作成手続」1622件(同7.1%)の順となっている。