違反率は前年を4.6ポイント下回る71.4%に

厚生労働省は、平成27年に実施した外国人技能実習生の実習実施機関に対する監督指導の結果及び送検の状況などについてまとめた。

同省では、技能実習生を含めた外国人労働者については、法定労働条件確保上の問題が認められる事案が多いことから、労働基準行政と職業安定行政が連携を図りつつ事業主等に対して労働基準関係法令を周知している。また、それとともに、労働契約締結時の労働条件の書面による明示、賃金支払いの適正化などの徹底を図っている。

27年に全国の労働基準監督機関が監督指導を実施した実習実施機関は5173事業場で、そのうち3695事業場に労働基準法や労働安全衛生法などの法違反が認められた(違反は実習実施機関に認められたもので、日本人労働者に係る違反も含まれる)。違反率は前年(76.0%)を4.6ポイント下回る71.4%となり、2年連続の低下となった。

主な違反内容をみると、労働基準法関係では、「労働時間」が1169事業場(違反率22.6%)と最も多く、以下、「割増賃金の支払」774事業場(同15.0%)、「労働条件の明示」591事業場(同11.4%)、「賃金の支払」545事業場(同10.5%)、「就業規則」400事業場(同7.7%)、「賃金台帳」279事業場(同5.4%)、「寄宿舎の安全基準」162事業場(同3.1%)と続いている。

このほかに、労働安全衛生法関係の違反では、安全措置が講じられていない機械を使用させていたなどの安全基準関係の違反が1076事業場(違反率20.8%)、健康診断関係の違反が514事業場(同9.9%)、また、最低賃金法関係の違反が114事業場(同2.2%)に認められた。

次に、送検状況をみると、件数は46件で前年(26件)より20件増加している。違反法令別では、労働基準法・最低賃金法違反が35件(前年21件)、労働安全衛生法違反が11件(同5件)となっている。