給付金が「生活の助けになった」受給者が6割

(独)労働政策研究・研修機構(JILPT、菅野和夫理事長)は、「高年齢求職者給付金に関するアンケート調査」の結果をまとめた。

調査は、平成25年度に高年齢求職者給付金(高年齢継続被保険者が失業した場合、被保険者であった期間に応じて基本手当日額の30日分または50日分を支給)を受給した者の中から任意に抽出した約6000人を対象に平成27年6月から7月にかけて実施し、有効回答のあった2560人について集計している。

調査結果をみると、高年齢求職者給付金(以下「給付金」)を知ったきっかけは、「退職するとき会社から説明された」43.0%、「ハローワークに行って初めて知った」21.8%、「自分で事前に調べて知っていた」21.0%などとなった。給付金受給時の意識は、「就職にこだわらないが条件のよいところがあれば就職してもいい」29.6%、「仕事はしたいが、急がないで自分にあった就職先をみつけようと思っていた」26.7%、「できるだけ早く就職して、少しでも早く収入が欲しかった」17.1%、「とりあえずハローワークに求職を申し込んでおこうと思った」12.6%などとなっている。

受給者の求職活動時の希望雇用形態をみると、「正社員・正職員」は6.7%と少なく、「パート」(35.4%)、「アルバイト」(14.9%)など非正規の雇用形態を希望する者が多い。また、週あたりの希望就業時間では、「20~29時間」28.7%、「20時間未満」19.4%、「30~39時間」18.2%、「40時間以上」17.0%──となっており、フルタイムではない40時間未満の希望者が全体の約3分の2を占めている。

受給者の再就職状況をみると、「自営でない仕事についた」42.7%、「自営の仕事についた」3.0%、「再就職していない」54.3%となっており、再就職した人の再就職先での雇用形態は、「パート」34.7%、「アルバイト」16.7%、「契約社員」11.8%、「シルバー人材センターの会員」10.7%、「嘱託社員」8.3%、「正社員・正職員」4.3%、「派遣社員」2.9%などとなった。

給付金の生活補助効果に関する評価をみると、「おおいになった」(26.2%)と「まあまあなった」(34.2%)をあわせると、約6割の受給者が給付金は生活の助けになったとしている。