組織拡大の対象として「パート」最重視が増加

厚生労働省は、平成28年「労働組合活動等に関する実態調査」の結果をまとめた。調査は、民営事業所における労働組合員30人以上の労働組合(単位組織組合並びに単一組織組合の支部等の単位扱組合及び本部組合)5097組合を対象に平成28年6月30日現在の状況について実施しており、3246組合から有効回答を得ている(有効回答率63.7%)。

調査結果の中から、労働組合の組織拡大に関する状況をみると、組織拡大を重点課題として取り組んでいる労働組合は31.9%となっており、前回調査(平成25年34.1%)と比べ2.2ポイント減少した。産業別では、「医療、福祉」(70.0%)、「教育、学習支援業」(56.3%)、「運輸業、郵便業」(54.5%)で取り組んでいる労働組合の割合が高い。

また、取り組まない理由としては(複数回答)、「ほぼ十分な組織化が行われているため」が50.8%と最も高く、次いで、「組織が拡大する見込みが少ないため」27.4%、「他に取り組むべき重要課題があるため」19.2%の順となっている。

組織拡大の取組対象として最も重視している労働者の種類についてみると、「新卒・中途採用の正社員」47.1%、「パートタイム労働者」17.8%、「有期契約労働者」14.4%、「在籍する組合未加入の正社員」13.7%、「嘱託労働者」4.5%、「派遣労働者」0.8%などとなっている。これを前回調査と比べると、「新卒・中途採用の正社員」が10.4ポイント増加、「パートタイム労働者」が4.6ポイント増加、「派遣労働者」が0.4ポイント増加、「在籍する組合未加入の正社員」が9.2ポイント減少、「嘱託労働者」が3.8ポイント減少、「有期契約労働者」が1.3ポイント減少となった。

次に、正社員以外の労働者に関する話合いの状況をみると、過去1年間(平成27年7月1日~28年6月30日)に、正社員以外の労働者に関して使用者側と話合いが持たれた事項としては(複数回答)、「正社員以外の労働者(派遣労働者を除く)の労働条件」が33.0%と最も高く、次いで、「正社員以外の労働者(派遣労働者を除く)の正社員への登用制度」24.1%、「有期契約労働者の雇入れに関する事項」20.2%、「パートタイム労働者の雇入れに関する事項」15.9%などの順となっている。

「正社員以外の労働者(派遣労働者を除く)の労働条件」について、事項別にみると、「賃金に関する事項」が25.5%と最も高く、以下、「福利厚生に関する事項」17.7%、「契約の締結・更新・雇止めに関する事項」16.0%、「教育訓練に関する事項」15.0%と続いている。